学園のアイドルの幼馴染をクビになったら、そこから甘いラブコメがはじまっちゃいました

@hachimitsu-pot

第1話 幼馴染をクビになりました。

「もうっ、何度いわせるのよ。あなたは私の幼馴染みはクビ! クビったらクビよっ!!」


 高藤華恋は言い放った。

 高藤華恋は文武両道、品行方正、正確温厚。学園のだれもが憧れる美少女だ。まさにパーフェクトヒロイン。

 階段の踊り場で立ち止まれば、下級生女子からラブレターを渡され、放課後掃除のために裏庭に行けば高藤華恋に告白するための老若男女問わない(ちなみにネコまでならぶ)告白のための長蛇の列が出来あがる。


 僕はそんな幼馴染みのことが好きだった。

 そのため、いつだって彼女のとなりにいて彼女を支えてきたつもりだった。


 文武両道の華恋を守れるように剣道だってならったし。

 華恋が生徒会の仕事で遅くなるときは、いつだって一緒に帰れるように暗くなるまで自習室で残って勉強をした。

 彼女への告白の列だって、有象無象が彼女に群がらないように俺が整理した。

 朝だって、昼だって、放課後だって一緒に過ごした。

 夜だって、華恋との連絡は欠かさなかった。

 華恋が「おやすみ」と送ってくるまでLINEを欠かさなかったし、華恋が眠れないときは眠くなるまで電話をした。


 なのに、どうしてこうなってしまったのだろう。


 僕がさっき告白をしたらこの様である。

 もちろん、僕も悪い。

 華恋がものすごいイケメンと歩いていたという噂をきいて、耐えられなくなって、告白したのだ。


 ずっと、側にいられればいい。

 側にいて華恋の笑顔を守れさえすればいい。

 そう思っていたのに……。


 機が熟すのをまって、いつか僕が華恋に相応しい人間になれたら、華恋に告白をしようと思っていた。

 それなのに、俺はあせって華恋に「好きだ」と言ってしまった。

 馬鹿みたいだ。


「分かった……」


 俺は今までの華恋との思い出を噛みしめながら、やっとの思いでその一言をいった。

 小さかった華恋。あの頃はちょっと引っ込み思案でいつも俺が手を引いていた。

 暑い夏の日にはよく一緒に水着をはいって水風呂にはいったけ。あいつ、けっこう蒙古斑のこってたよなあ。まだ残っているのだろうか。華恋は恥ずかしがっていたけれど、俺はあの水色の蒙古斑が鳥の形にみえて好きだった。

 小学校の入学式。きちんとした格好をして新入生の挨拶をしたときの華恋はひときわ利口で可愛らしい少女だった。

 ああ、もう。華恋との思い出をここで思い出しきるには今すぐ死んで走馬燈でもみないとまにあわない。


 というか、なんで俺はまだ死んでないんだ。

 最愛で最強に可愛い幼馴染の女の子にフラれたというのに。



◇◇◇◇◇次回予告◇◇◇◇◇


「分かった……」

彼がそういった瞬間、全身の血液が苺のソースみたいに沸騰しました

私には大好きな幼馴染みがいました。

でも、その関係はもう今日で終わりです。

なぜなら、彼がやっと告白してくれたから。

そう、今日から私たちは恋人同士です。

ただの幼馴染みという関係はもう終わりです。

彼はずっと私に優しくて、私は小さい頃から彼のことが大好きでした。



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