最強魔術師とリス令嬢〜君の全てを手に入れるまで〜《カクヨム版》
平川
1.プロローグ
朝目が覚めると、喧騒の中、周りの大人たちが走り回る音が聞こえる。
中には悲鳴と嗚咽が混ざっていた。
そうか......リザ......
そうか.................
妹はその小さなおでこにいつも濡らしたタオルを置いて、ぼんやりとした虚ろな目を天井に向けていた。
始めは確か6歳になってすぐに体調を崩して寝込んだんだったっけ。それからあっという間にベッドから起き上がれなくなった。
体を動かすと激痛が走り、痛い痛いと泣きながら血を吐いた。
妹は魔力過多症だった。
高位の魔術師に依頼し、魔力を体外に放出させる術を施行し、同じ効果が得られるとされる高価で希少な魔道具も装着されたが、妹はその魔力の多さから放出が間に合わず徐々に内臓を蝕まれ衰弱していった。
始めに体調を崩した日から約2年経たずして妹は靜かに息を引き取った。
俺達が8歳になろうかと言う少し前の寒い朝の事だった。
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