第24話 ストーカー探偵。
「お疲れさま〜にゃは!」
「佐々木ありがと」
疲れ果てたオレに佐々木はコーラを運んでくれた。
バイトは無事終了し、ここは『ナッシュビル』とは別のファミレス。さっさと帰って中間テストの勉強やらテスト期間中の書き置きをなんとかしなきゃ、
だが―――
「わるいなぁ、仕事増やしたろ」
「全然ヘーキよ、私テキパキしてるでしょ?」
「見直したよ、そして自分のダメさを実感」
「そらね、最初は――」
最初の目的である『佐々木咲乃』にちょっかいを出してくるヤツを追い払う目標はまったく頭から消えていた。
そんな余裕オレにはないよ、マジで。
そしてぐったりな、今。
「それにしても亮ちゃんが『
オレの街の近辺には公立高が4校あり、成績は『
佐々木は2番目の『
「南高しか行く気なかったから、何で?」
「何でって、成績良かっし中3の時めっちゃ勉強してたから『
「アレは南高に絶対受かりたかったから――」
南高には陽茉ちゃんが通っていた。南高に行きたかったのはそれ。
「
なぜ、どいつもこいつも陽茉ちゃんのこと知ってる。まぁ、そうなんだけどさ。答えないでいると。
「読みが甘かったなぁ、進学マデ影響でるとは思わなかった。噂以上の『陽茉ちゃん』押しね」
佐々木は腕組みする。お腹の空いたオレたちは安く済むパスタとドリンクバーを注文していた。
お腹が満たされ、ちょっと元気になったオレは『つきまとい』について聞くことにした。
「佐々木、そのどうなんだよ、その――」
「うん、今日はやめよう。久しぶりなんだし、ほらいきなりの重たい女?みたくなるでしょ?」
まあ、その気持ちはわかる。何より今日は疲れて頭がまわらんから、先送りは助かるかも。
「――よいしょ、ごきげんよう」
佐々木咲乃はオレの隣にいきなり座ったなぞの物体に目を見開く。
何なんだ、こいついきなり座るの好きだな。
「亮ちゃん、誰それ?」
「
違うだろ。探偵じゃねぇ、ストーカーだよ。何してんだ。
「柚原詩音って、亮ちゃんのめっちゃ評判悪い『元カノ』じゃん、薬師寺言ってた。アレってモノホンにやったんだよね、サイテー」
佐々木悪い。もっと言ってくれ。柚原が半泣きになるくらい言って聞かせろ。
「薬師寺――京順さま?まさかそんなことは言わないでしょ、あの方は。京順さまは亮介さまの次に私を高評価してくれてる方」
オレに次いでの評価ってオレがしてる評価より低いってことだよね。
それってかなりの『低評価』じゃね?
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