未来への帰り道
遥石 幸
登場人物一覧と予告編
『登場人物一覧』
・石狩翔(いしかりしょう)
本作の主人公。20歳。大学生で理学部数学科に在籍している。「なんとなく」という言葉を嫌い、理論的な考え方を好むが、なぜか未来人の謎には積極的に関わっていく。会澤曰く「頭良さそうな顔つきをしている」が本人は否定的。新島のことだけは中学生のときから苗字じゃなくて下の名前で呼んでいて、今でもその影響で『未翔』という呼び方を採用している。
・新島未翔(にいじまみはね)
中学二年生のときに石狩たちの学校にやってきた転校生。一年間、石狩たちと同じクラスで過ごし、中学三年生になる前に別の学校へまた転校する。高校生のときに行方不明になったという噂が流れ、彼女の不思議な言動を知る石狩たちから「未来人だったのではないか」という疑惑を持たれる。誰にでも分け隔てなく接するタイプで、中学生時は非常にモテた。容姿はアイドル系で、笑うと八重歯が見える。実は周りにとても気を遣う性格であり、自分がモテることについて気にしていた。
・会澤穂高(あいざわほたか)
中学のときの同級生であり、石狩とは特に仲が良かった人物。高校を卒業後は工場で働いている。成人式で久しぶりに再会した石狩たちに「新島未翔は未来人である」という仮説を立てた張本人で、それを裏付ける証拠として『第一の謎』を提唱した。中学校時代はバスケ部に所属していたが、体格は小柄で試合でも補欠だった。今は工場で働く傍ら、夜の時間を利用してランニングをし、体を鍛えている。
・氷川咲(ひかわさき)
中学のときの同級生。『第二の謎』の提唱者。現在は京都の大学の二回生で、大学では法律を学んでいる。その影響からか理論的で合理性のあるものを好み、未来人の謎に対しては一歩引いたところから俯瞰している。見た目は昔から大人びていて美人であるが、媚びない性格もあって基本ぼっち気質。本が好きで、暇さえあれば何かしら読んでいる。中学校時代の部活は剣道部。
・笹本亜香里(ささもとあかり)
中学のときの同級生。『第三の謎』の提唱者。中学では美術部に入っていて、現在は美術系の専門学校に通っている。中学生当時は大人しい性格でクラスでもあまり目立たない存在だったが、二十歳になった今、黒かった髪の色は派手な赤色に染まり、トレードマークだった眼鏡もコンタクトレンズにしている。それでも、中身は意外と変わっておらず、大人になった石狩たちに対してもどこか引っ込み思案なところがある。
・上田(うえだ)先生
中学二年生時の担任の先生。教科は体育で、剣道部の顧問でもあった。生徒のことをよく見ており、大人になって久しぶりに学校を訪れた石狩に対してもアドバイスを送る。スキンヘッドの頭が特徴的。
・紺野(こんの)と染谷(そめたに)
林間学校で宿泊したバンガローで、石狩、会澤と同部屋だった二人。バドミントン部に所属し、関東大会まで出場した強力なペア。愛称はコンソメ。
・成人式のときの幹事=中学時代の林間学校の実行委員長
中学生のときから見事な司会ぶりを見せる。大人になってもその手腕は健在。
『予告編』
この予告編は、小説の雰囲気を大まかに摑むために作成したものです。小説内に出てくる登場人物の台詞やモノローグなどを100個選んでみました。(イメージとしては、キャラクターの声が次々に朗読されていく感じです)
誰の言葉なのか予想したり、ストーリーの展開を想像したりしながら、本編のほうと併せてお楽しみください。
第1章 成人式
【――成人式、行きたくない】
【しかしさぁ、石狩に会うのって随分久しぶりだよなぁ】
【何か用?】
【……ええと、うん、そんな感じかな】
【新島さんのことなんだけどさ】
【皆さんっ、盛り上がってるところすみません! そろそろお開きとなるので、帰りの支度を始めてください!】
【会澤、どうした? 帰るぞ】
【みんな、あのさ……】
【新島さんは未来人だったんじゃないかな】
第2章 未来人の謎
【成人式の日から一週間が過ぎた】
【石狩くんは決まった?】
【わたしはなんでもいい】
【賢い選択だな。余計なことはしないに限る】
【未来人の話をしよう】
【不思議だから未来人か】
【それならわたしにも心当たりがないこともない】
【咲さんもあったんだ】
【よーし、それじゃいっちょやりますか!】
第3章 林間学校
【翔くん、何か忘れ物?】
【なぜパンツなんだ……】
【あぁ、やっぱダメだわ俺】
【なんだぁ、意外と軽いな】
【所詮はこの程度か】
【さぁ、作るよ。未翔のスペシャルハンバーグ】
【冗談】
【では、班長、よろしくお願いいたします】
【……ウォークラリーってどんな感じなんだろうね?】
【待ちわびたぞ】
【意外だ。笹本はこういうの平気なタイプだったのか】
【……な、ない】
【わたしさ、告白大会に出ることにしたよ】
【最後の参加者が現れました! 一組の新島さんです。それじゃみんな、勇気ある参加者、新島さんに拍手を】
【――未来だ】
【石狩くんはさ……】
【じゃあ、一緒に来てくれる?】
【一緒に……】
【わたしはここに来たかった】
第4章 経過報告
【石狩くん、毎回着実に点取ってるよね。コツとかあるの?】
【……ガウスって誰?】
【そんなことより、今日は結局ダーツで遊んで終わりなのか? 未翔の件について話し合ったりはしないのかよ?】
【マジかよ? なんかわかっちゃったわけ?】
【AIってなんの略か知ってるか?】
【そういや、最近夜ランニングしてるんだよね】
【わかった。近いうちにな】
第5章 中学校
【おっ、その顔は石狩か?】
【上田……先生】
【じゃあ、ちょっと寄ってくか?】
【懐かしいですね】
【石狩は成人式来てたよな?】
【新島未翔のことは覚えていますか?】
【それは違う。問題が見えないことが問題だった】
【なんか寂しいですね】
【守るべきもの。石狩もすでに持ってるだろうが】
【たとえ、俺だけになったとしても】
第6章 第一の謎
【ここって夜は怖いよな】
【そうだ。いいもの持ってきたよ】
【まあいい。行こうぜ】
【まずは準備運動】
【一つ質問がある】
【それ、未来人のことと何か関係があるの?】
【いや、待てよっ!】
【ついてきた、か】
【だからさ、俺は待つことにするよ】
第7章 第二の謎
【もしもーし、あれっ? 聞こえてるか? 氷川だよな?】
【映画館】
【……意外だな。観たい映画があるのか?】
【難しいかもしれない】
【なあ、今日の映画どうだった?】
【どうぞ、ご自由に】
【氷川には想像つかない理由だよ】
【……今日は確認作業、か】
【そう。頑張ってね】
第8章 第三の謎
【遅れてごめん。わたしのほうから時間と場所を指定したのに】
【この絵、笹本が描いたのか?】
【せっかくだし、ちょっと公園内を散歩しない?】
【やっぱりそうか】
【うん、わかった。わたしでいいならなんでも相談して】
【俺の記憶とそれほど相違はないな】
【やっぱりすごいね、石狩くんは】
【それからもう一つ、石狩くんに訊いておきたいことがあるんだ】
【今日も俺はこの机の前に座って、未翔がいる世界に飛び込む】
第9章 解
【――さあ、証明の始まりだ】
【全然気づかなかった……】
【マジで? 俺なんか惜しいこと言った?】
【わたしには想像つかない理由、か】
【じゃあ、未翔は……】
【ちょっと待ってよ。俺にもわかるように説明してくれ】
【以上をもって、第三の謎の証明は終了だ。先ほどまでの証明と合わせて、第一の謎、第二の謎、第三の謎のすべてが解決したことになる】
【まだ終わりじゃない】
【先、帰るわ】
【なぁ、石狩っ!】
【またみんなで会えるよな?】
第10章 未来への帰り道
【中学校の校門のところに咲く桜を、俺は一人で立って眺めていた】
【中学生かよ!】
【へへっ、なんか気分的に】
【楽しそうで何より】
【あっ、これ? これは来月から就職するから】
【それじゃ、全員揃ったわけだし……】
【……翔、くん】
【だから、わたしはいつかその約束を果たすため、おまじないをかけるように新たに見つけた自らの宿命を心の中で唱えた】
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