あとがき


 本作も最終話(第62話)をもって無事完結いたしました。

 ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

 

 本作の振り返りに入る前に、冒頭にて本作のスコアについてご報告いたします。

 2021.03.14の12:02現在で、次の結果となりました。

  PV:12,179

  フォロー:65

  ★:46 

  レビュー人数:18

  ♡:497

  応援コメント:12

 ここまで多くの読者様にお読みいただき、更に応援やレビューまでいただき、感謝感謝でございます。

 皆様の応援が力の源泉となり、無事ゴールまでたどり着くことができました。



 Web小説で何故エタる作品が多いのか。

 本作を書きながら、このテーマを考えさせられ、一定の理解ができたように思いますので述べさせていただきます。


 これは……後半になるほど書くのがキツイことに原因があると思います。


 そこまで書いたエピソードにより設定が縛られてしまいますし、書いているうちにどこが面白いのか分からなくなってしまいますし、新規で作品を起こしたくなる欲求がムラムラと起こってしまいますし、最終ゴールを定めないままで書き始めてしまったがために話が漂流してしまいますし……。


 いろいろな理由があるかとは思います(上で列挙したような事象は、いずれも本作で経験したものです)。


 これらに加えて、応援やPVが減ってしまい迷いが生まれてしまうことにもあるように思います。

 例えば、本作の第1話のPVは439となりますが、公開直後の最終話(第62話)ではわずか31。


 公開期間が長い第1話の方が読まれるのは当たり前の話ではありますが、そこまで脱落率が高いのは、どこかに原因があるではと考えてしまいます。

 話がうまく次につながっていないのではないか。

 面白いエピソードを提供できていないのではないか。

 読者層にマッチした物語を提供できていないのではないか。

 設定や展開が強引だったのではないか。

 (※ 前話からのPV数の減少率を脱落率と定義します。)

 こうした迷いに悩まされることが多くありました。


 一方で、ポジティブな体験もさせていただきました。

 本作ですが、PVが突如として大きく伸びるタイミングが、複数回ございました。

 それは、いずれも「コメント付きでレビューをいただいた」日に起こりました。


 コメント付きレビューの威力を感じさせられました。

 同日に2件のコメントをいただいた日には、なんとPVが1,100件程度の伸びを見せました。

 これは、とても感動的な体験でした。

 いつものようにダッシュボードを覗くと、PVのグラフが下がっていて……。

 「あぁ……」と思っていると、なにか縮尺がおかしくなっていることに気づき。

 グラフの山が特定の日に伸びすぎたがために、PVが200件程度の日が異常に少ないように表現されてしまっていたことが分かりました。

 そのことがあってから、(筆者は読む方もやってますので)極力コメント付きレビューを残すようにしています。作者さんがご苦労なさって書かれているものをタダで読ませていただいているわけですから……。


 本作では、苦しみも楽しみも経験させていただきました。

 この場を借りて御礼申し上げます。



 では、早速ですが、振り返りに入りたいと思います。



 さて、本作ですが……。

 実は、第1話執筆時点では「タイトル以外に何も決まっていなかった」作品となります。


 着想自体が、会社で仕事しているときに「俺、冷や飯ばっかり食ってるよなぁ」というところがスタートでしたし……。

 第1話を書きながら「主人公の名前はメシヤでいいか……。なんか冷や飯っぽいし」「まぁこの作品は所詮箸休め。気分が向いたときに書くようにしよう。本命は別作品だし」みたいなノリで書いていました。

 

 思いつきに任せてキーボードを叩いてしまったわけですね。

 本来あるべき姿は「しっかりと構想を練って、書き溜めをしてからアップする」というのが正しい姿なのだと思います。


 しかしながら、間が悪いことに、当時カクヨムにアカウントを作成してWeb小説を始めたばかりで調子をこきまくっていた時期でした。

 思いつきで行動するのを止めれるほどの知恵はありません。

 つまり、「うおおおおおお」みたいなテンションの高さだけで行動する猿みたいな生き物だったわけです。


 そこから先は、なんとなくパソコンに向かったときの勢いで書いていたわけですが……。

 徐々に異変が起こりました。

 

 本命である「脳筋白魔導士」よりもPVに勢いが出てきたのです。

 およそ倍掛けといったところでした。

 タイトルが分かりやすかったですし、カクヨムユーザーの興味を引けたということでしょうか?


 これには困りました。

 箸休めが、本命を超える兆しを見せてしまったわけです。


 しかし、その場のノリで更新をする日々が続き、(次の展開が決まっているわけでもないですし)筆者もつらくなってきました。

 そこで、主人公に選択を迫ることにしました。


 これが第9話で、父が選択を迫るシーンにつながります。


 「この選択を迫られたら、本作の主人公は一体どのように考えるだろうか」


 そう考えながら、一日を過ごした結果。

 「降りるのは、こいつの性格的にありえないな……」というところから、戦う方向を選ぶことになりました。

 この結論に至ったときに、筆者は今更ながらに「主人公がとても誇り高い人物である」ということを知りました。


 そして、この選択をしてから2~3日が経過した頃に、本作の結末はイメージが降りてきました。

 強引かもしれませんが、救世主として世界を救うというヒロイズムとか、冷や飯ぐらいからの成り上がりとか、「今日も冷や飯がうまい!」と書いた紹介文を拾えるとか……。

 筆者にとっては「これ以外ない」という結論になり、そこに向かって話を進めることになりました。


 今から考えると、このときの「父」は筆者そのものだったのかもしれませんね。


 そうして、日々アップしていったわけですが、「脳筋白魔導士」と二作品をほぼ毎日更新する日々でした。

 1作品の1話を1~2時間程度で書くとして、2作品を同日にやるとしたら2~4時間ぐらいかかるわけですね。

 日中サラリーマンをしている筆者には、(残業していないにしても)負荷がかかっていたのでしょう。


 第21話で、突如としてバイ子が登場するシーンがございます。

 書きながら展開を考えていた頃なので、当然のごとく苦しんでいたのですが、やっとこさバイ子を登場させることが思いつきキーボードを叩いたまさにその瞬間!



 筆者は突如として謎の大量の鼻血に見舞われました。



 いままでの人生で、あんなに鼻血が出たことはありませんでした。

 さすがに「これはマズイ」と思い、その日はすぐに就寝しました。

 そして翌日、「脳筋白魔導士」を休載し、本作を本命とすることを決定しました。すでにPVで本作の方が勝ってましたので……。

 

 そうこうしてエピソードをアップするうちに、読者様への感謝の気持ちがわいてきました。

 「そうだ……。読者参加型にして御礼をしよう!!」

 「最終戦争で味方になるキャラは、読者の皆様だ!」


 既に正気の沙汰とは思えない発想です。

 なぜ、そこがそこに結びつくのか意味不明です。

 しかしながら、当時の筆者にとっては、これ以上ない最上の策。


 それをやった結果……。

 ご愛顧につながることもございましたし、逆に距離をとられてしまうこともございました。

 今から思うと非常にナイーブな話なので、軽々しくやっていいものではなかったのかもしれません。

 「やってから分かる」という、この先見の明の無さ。

 なんとも筆者らしいと感じてしまいます。

 

 そんなこんなで話は進んでいきますが、徐々に更新頻度が落ちてしまいます。

 冒頭で述べたような迷いがあったのも事実ですが、リアルが忙しくなってしまったことにも原因がありました。


 最近もそうですが、仕事が……。

 子育てとカクヨムのため、日中は全力で動き回って残業を回避しています。

 そうなると、話を考える余裕もないし、深夜にキーボードに向かえる状態にある日が減ってしまいます。


 そうした日々を送りながら、3か月無料で登録したAmazon Music Unlimitedを聴き……。


 「最終戦争の辺りを各話ごとにテーマソングを決めて、それで話を書いていったらどうか」などとロクでもないことを思いついてしまいました。


 どの程度やると「カクヨム利用規約」に抵触するのかは不明ではあるのですが、セーフのラインを見極めるために色々考えさせられることとなりました。

 忙しいくせに、自分で無駄に仕事を増やしてしまう典型ですね。


 なぜパンク・ロックなのか。 

 こう思われた読者様もおられたかと思います。

 

 この問いへの回答は「筆者が好きだから」というもの以外にないですね……。

 あとは「良い曲多いから、知ってもらいたい」的なところでしょうか。


 アホですね。

 だれがどう考えてもアホですね。

 マジでアホですね。手の施しようがない。

 


 そして、終盤では更新の頻度が大きく落ちました。

 「戦争」という描写が難しいものを設定してしまったのが最大の問題だったんだと思います。

 「どう表現すればよいのか分からない」という状態に幾度として陥りました。


 この辺りになると、「なんとしてもエタらせない」という意地で頑張っていたように思います。やっぱりエタるのは……。未完のまま数年放置されているものとかを読んだときには、"残念"の言葉でしか表現できないので。

 飲酒とパンク・ロックでブーストしながら、「GreenDayから入ってThe Offspringに抜ける!」という初志を貫徹することを目的として、なんとか更新していきました。


 そして、ラストバトルです。

 本作の執筆にあたり剣道の練習や勉強で数十時間使っているのですが、その集大成となるように全力を注ぎました。剣道の跳躍素振りのせいで両足首を故障しかけたのを取り返すかのように、必死で書きました。


 なんか打ち込みながら思ったのですが。

 ……意外に暇人なのかもしれない……。

 もうちょっと時間を効率的に使ってたら、もっと更新頻度あげて、はやく最終話をお届けできたかもしれませんね。

 ちょっと反省。


 最後になりますが、本作を終えた後のカクヨムリワードですが、253となります。

 最終的に伸びたとしても、本作では400いかないぐらいなんでしょうか。

 執筆時間、調べている時間、剣道の時間などを足し上げて時給に換算すると……、1円相当になりそうです。


 感動してしまいますね。

 会社で残業すると25%の割増がつくので、時間単価の収入は確実に千倍超えます。

 ハハッワロス!


 完全な趣味の世界ですね。

 今後は「趣味でWeb小説家をやっているものだ」を口癖にしたくなるレベルです。

 その趣味のために、私は残業を全力回避するわけです。


 ……そのせいで、2021.04人事異動では要員を一人抜かれてしまい、もはや打つ手なしの状態になってしまいましたが……。ガッデム!


 でも、不思議と後悔はないんですよね。

 本作ではやりたいことをやった感がありますし、よくも悪くも自分の個性を出せたように思います。

 一番大きいのは、お読みいただくという貴重な経験をさせてもらったことにあるもかもしれません。


 末尾となりますが、皆様のさらなるご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。

 あとがきまでお読みいただきありがとうございました。

 

 


 


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