第11話墳墓のダンジョン1
キャールの街まではルミナ村から徒歩で5日程ですが、幸いキャールまでの道沿いには小さいながらも宿場を兼ねた村が複数あるので野宿の心配も無く、あえて注意するとしたら盗賊や魔物が現れる可能性が高い事、なので探知を使い周囲を警戒しながら進んでいくが、幸い盗賊も魔物も現れず順調な旅になった。
そしてキャールの街に行く前に、ハズレダンジョンと言われている墳墓のダンジョンを探索するつもりなので、ダンジョンに一番近そうな村で宿泊し、宿の人にダンジョンの場所を聞いてからダンジョンを目指し街道を外れ森を進む。
それにしても宿屋のオッサン、自分は墳墓のダンジョンに行くって言ったら大爆笑していたな。
何階層まであるかは知らないけど、出て来るのはスケルトンのみで宝箱も生まれないダンジョンで何日もかけて深くまで潜る価値がないダンジョンだって言ってたな。
まあ自分からしたらスケルトンも魔物だし、数を倒せばそこそこ魔力の一部を吸収し身体能力や魔力が上がるなら丁度よいし、得られる魔石がショボくても数があればそれなりに金になるだろうしね。
そんな考えを抱きつつ、森を進むと、不自然に開けた場所の真ん中に石を積んだ円墳のような小山が見えて来た。
これが墳墓のダンジョンか~、宿屋のオッサンいわく、開けた場所は何故か魔物が寄り付かないので夜に野宿するなら安全だと言ってたけど…。
本当に魔物が寄り付かないのか?
まあテント張って焚火してれば大丈夫かな…。
寝てる間も探知を使い続けるのは不安なんだけど、オッサンを信じるしかないか。
その後、テントを張って、周囲の森から焚き木を集め拠点づくりをすると同時に、ダンジョンの入り口を確認すると、綺麗に大石を詰んだ入り口があり、そこから石造りの通路が続き、少し進むと分かれ道などもある。
RPGによくあるダンジョンそのままだ。
いきなり奥まで突き進んで死亡とかありえないからな、とりあえず慎重に進んで魔物を1匹見つけて様子を見よう。
そう思いながら、慎重に進んでいくと、第一魔物を発見。
うん、骨だ…。
理科室にありそうな人骨が手ぶらで歩いてる。
第一魔物、というかスケルトン?は歯をカチカチと鳴らしながらダンジョンを彷徨ってる感じだけど、とりあえず動きが緩慢だし、こちらに気が付いていないみたいだし、コッソリと後ろから忍び寄り浄化の魔法が効くか試してみるか。
後ろから忍び寄り浄化魔法を放つと、掌から放たれた光がスケルトンを包み込み、直後スケルトンはサラサラ~と灰のようになって消滅し、スケルトンの居た場所には1センチぐらいの赤い魔石が転がっている。
意外と簡単だな…。
そんな事を思いつつ魔石をアイテムボックスに収納し再度慎重にダンジョン探索を再開する。
それにしても倒した魔物の魔力を吸収して身体能力や魔力がUPするって言ってたけど、スケルトン1体じゃ特に実感が無いな…。
その後、2体スケルトンを浄化で倒し、ダンジョンの外に出て来たけど、
もう夕方だし、野営でもしようか。
そして集めた焚き木に火魔法で火を付け夜を迎える。
食事をし、しばらくすると、うとうとしてきたから、寝ようかと思うけど、やはり魔物が襲ってこないかの恐怖もあり睡魔に身をゆだねて良いのか心配になってくる。
一応探知を使用しながらうとうとしていると、そのまま睡魔に負けて眠ってしまったようで、目を覚ますと焚火は消え、空が白みだしている。
うん、無事に朝を迎えられたみたいだけど、オッサンの言う通りこの辺は安全地帯なのかな?
そう思いながら朝食を摂り、ダンジョンに入り探索を開始するけど、ダンジョンの中って薄暗いけど、それなりに明るいんだな。
何故だろう?魔力がダンジョン内を明るくしてるのかな?
そんな事を思いつつもダンジョン内を慎重に進み、現れるスケルトンを浄化し、魔石の回収をし、下層へ続く道を探す。
スケルトンは動きも緩慢だし、単体で行動してるから、少し大胆にスケルトン狩りを本格的に始めよう。
うん、スケルトンを浄化魔法で瞬殺はラクだし!
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