理想の兄弟その日まで

WORLD

〜エピローグ〜

「兄ちゃん、ゲームしよ‼︎」

 威勢のいい声が聞こえる。

「またそのゲーム?苦手なんだよな〜」

 小太郎はムッとする。

「苦手〜?いつもオレに勝ってるじゃん!!!」

 太郎は慌てて弁解する。

「いや、空としたらだよ?アイツ、なんでも上手いし」

 小太郎は納得したのか目を細めて、

「まぁ〜アイツは完全無欠だもんね。さっ、やろやろ」

 断る隙もなく小太郎は太郎の部屋に入り、準備をしている。

(ったく…まぁいいか)

 小太郎は嬉しそうに鼻歌を歌っている。

 この兄弟はいつも一緒で仲良しだ。それでもー

(そりゃ喧嘩もしますよ。人間なんだし)

 太郎はあの言葉を思い出す。

『あのご兄弟、仲悪いわよねぇ?』

 その一言でどれだけこの二人にヒビが入ったことか。

 これは誰にも真似できない理想の兄弟の物語———

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