第3話 勇者の登場
魔王復活の知らせを受けてから一年後。
お城に勇者様がやってきました。
武闘大会の優勝者らしいです。武力を競う大会は、魔王を倒すために催されたものの一つです。
その催し物の中で良い成績をおさめて勇者アルト様は、魔王討伐の為に選ばれた存在でした。
人々の希望の星、救世主。
その存在を一目みてみたくて私は、勇者様が王座の間にいるところを、こっそり眺めていました。
凛々しい勇者様の姿を見た時、私は一目ぼれをしてしまいました。
それははっきり恋と呼べるものでした。
恋は世界を変える、というけれど、本当にその通りです。
その日から色あせた日々が急激に光輝いてみえるようになりました。
けれど、勇者様には他にもたくさんの素敵な人がいます。
勇者様にはすでに、私よりもお似合いの者達がたくさんいるはずです。
そのため、私は無駄に争わず、そっと見守るだけの恋に満足していました。
勇者様は、たびたび王宮にこられたけれど、数えるほどしか話をしていません。
恋心を胸の中に秘めるだけの日々。
それでも幸福でした。
そんな、ある日私に特別な力があると判明してしまいました。
それは魔王に対抗できる強力な聖なる力でした。
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