ハッキング

ネットワーク......ダメだ。回線が混んでいる。

集中して,ネットワークの入り口を目指す。

体温が上昇し,目眩がする。

でも,諦めちゃダメだ。世界でたった一人の双子の兄さんだから。


......今まで,守ってくれた兄さんを助けたい。


アカウントの波をかき分け,最も速いスピードで兄さんの意識まで辿り着く。

何重にも,ロックがかかっていてこれ以上近づくことができない。


......諦めない。兄さんも,きっと俺の立場だったら諦めたりしないから。


具現化したロックは触れると大量のプログラムが体内に流れ込んできた。

時間はかかるが......一つ一つを解いていくしかできない。


もしくは...ウイルスを作って...ハッキングする。


後者の方がリスクはあるが速い。

無駄につけられた知識。

きっとあいつが,わざと襲わせるための知識。

でも,利用できるものはとことこん利用してやる


「待ってて兄さん。すぐに助けるから。」

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