中途半端

教えて......か。

俺はともかく,兄さんの事をベラベラ喋るのは気が引ける。


「俺は構いません。ですが,兄さんの事は教えません。俺が嫌ですので。」


表情を変えず,ロンジュの事をじっと見つめる。

見ず知らずの男に教えるのは警戒心が無さすぎる気もするが,もしかしたら同類なのかもしれない。

少し間をとり,ゆっくりと話し始めた。


「俺は製造番号B-r17。ブラン。機械人間...中途半端だが。元は人間。変えられた部分は目,心臓,四肢。」

「うんうん!それでそれで?♪」


紙に書き起こしながら,彼は興味深そうに聞いている。


「覆面ヒーロー様の踏み台。そう教えられた。」

「......そ...ぅ...。」


彼の顔が曇り,手が止まる。


覆面ヒーロー


こいつが,何か関係しているのか......

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