あたしっすすか

一色梅花

第1話 あるがゆえに

 地上6階。18時の開場とともに多くの人々が集まりこれから始まることを期待している。

 会場は満員そしてライブ開始からフルスロットルの大盛況。物品販売も上々で経済的にも利潤が凄まじい。

 しかし、防音扉の向こうでひとり、男は天井を見上げている。

「ずいぶん近くなったな。手を伸ばせば簡単に届く」

 腕を組み退屈な表情を浮かべるスーツ姿。彼は今ライブで大いに盛り上がっているアイドルの支配人。名は和久井、彼のため息は余程危ない体勢にならない限り地下には落ちない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る