夜明けが来ることを信じて

@yomi4869

第1話

 毎日ソファーの上で目が覚める。時刻は午前3時

祖父母の介護をして疲れ果てて寝ていたが呼び出し音で目が覚めてしまった。本当はまだ寝ていたいが呼ばれてしまったのなら行かなければ、あとでどんな小言を言われるか分からない

重い身体を起こして祖父母の元へ向かう

この時間ならトイレだろう、おむつをして欲しいと何度も言っているがプライドがあるのかしてくれたことがない。その分トイレに付き添う回数が増え、汚したシーツを洗濯する回数が増えた

私が疲れて寝ていても関係なく起こしてくるので毎日が地獄だ


介護を手伝ってくれる家族でもいればいいが、両親は離婚をしてそれぞれに家庭を持っており「貴方の親なので手伝って欲しい」と父親に連絡をしても返事が返ってくることはない。


私がしなくてもいいと周りの人達は言うが、私がしなければ一体誰がしてくれるのだろう。

福祉のサービスを利用しているが2人とも外面がいいのか外では意外と自分で動けてしまうので介護度はなかなか上がらない。

施設に入所して欲しいが、2人に入る意欲がないのでまず難しいだろう

家に帰ってくればどんな些細なことでも私を呼んでは指示を出してくる、私は2人にとって孫ではなくロボットか家政婦なのだろう。

明け方から深夜まで2人の言いなりになり動くので休む時間もなければ、外に働きに出る時間も体力も無い。


周りの同世代の人たちは働いたり、結婚をしている

羨ましいと思うし、憧れる。

私もそうなりたいと思うが、今の状況でそれが出来るだろうか

だが祖父母もいつまでも生きているわけではない

いずれは死ぬ、私は祖父母が死んだあとどうやって生きていけばいいのだろう

学歴も経歴もない30代の女を雇ってくれるところなどないだろう、それなら無理をしてでも今から働きに出た方がいいとも思う。毎日自問自答を繰り返す日々だ。

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