第51話 その2
「うわっ、なにするんだ、よせよ、やめろよ、この変態、痴女!!」
さんざん自分がやったコトだろうが、自分のことを店卸し、じゃなかった、棚上げするな!!
「よせって、やめろってば、やめろーーー」
どんだけ抵抗してもムダムダムダムダムダァー、
こっちは
ベルトのバックルに手をかけ起こし、スルッとはずす。
一気にそれを抜くと、ズボンのホックを外してチャックを下ろし、両裾をつかむと勢いよく脱がしてやった。
見事な手さばき、さすが手慣れている。
いや、慣れたくないのだが。
オーツチのパンツは白のブリーフだった。
なんだつまらん。お笑いトランクスとか、ブーメランだったら面白かったのに。
「う、うう、ううう、うわーーーーん」
学生服とシャツで必死に隠しながら、大泣きしだした。なによ、それ。あたしが悪いみたいじゃん。
その時、教室の前扉が空いて、先生が入ってきた。
北方先生だ。
「おーい、すまんが次の授……、なんだなんだ、何してるんだ、お前達!?」
驚く先生の言葉に、客観的に現状を把握すると、
クラス全員が股間をおさえながらうずくまり、教壇ではあたしがオーツチのズボンを持って立っており、そのズボンの持ち主は泣き崩れている……
って、端から見たら絶対あたしが何かやらかした感じじゃん!!
「せ、先生、これには訳が……」
「紅、お前か、お前がやったのか」
「違います、これはオーツチが……」
その後に続く言葉につまった。
───エンピツモドキで操って一連のパンチラ騒ぎとスカートめくりをさせてたんです───
なんて言っても、信じてもらえるだろうか。
証拠であるエンピツモドキはもう無いのだ。
「せんせー」
情けない鳴き声で、オーツチが訴える。
「紅が、紅が僕のズボンを脱がしましたーーー」
「やっぱりお前か、紅」
やっぱりってなによ、あたしがそんな事にしそうな危険人物だと普段から思ってたというの!?
オーツチもいらんタイミングで本当の事言うな!!
「北方先生、どうかなされましたか」
先生の背後から、さんごちゃん、じゃない、葵先生がひょいと覗き込んできた。
そうだけど違うなんとか助けてと、目で返事をすると、了解と返ってきた。
「北方先生、ここは私に任せて保険医を呼んできてください。私は救急処置の心得がありますから、生徒達を診ています」
先生は了解すると、保健室に向かう。
あたしはこの後どうしよう、どうなるのと途方にくれるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます