第19話 12月20日

 地球。それは青い星。生命の星。だが今は見る影もない。人間が食い散らかした結果、荒れ果てた赤茶けた大地がどこまでも広がっている。海にはマイクロプラスチックが散乱し、死んでいった魚や動物が浮いている。

 バランスの失った生態系で、海にはプランクトンが大量発生し、魚のえらに詰まる。この海で採れる海洋資源はほとんどない。

 陸地では雨風にさらされて、流木が流れ、土地を支える基盤を失い、砂漠化が進んでいる。

 AnDで降り立つと、俺はさっそく周囲の探索に走る。

 近くに友軍はいないか? 敵軍はいないか? どちらにせよ、一機で降り立ったのは最悪だ。軌道計算がずれていたのだ。これはあとでメカニックに文句を言う必要があるな。

 GPSから割り出した予測位置はペルーの北東。

 地球防衛軍の鼻っ面だ。解放軍の俺とは場違いだ。

「どうしたものか……」

 俺はレーダーを巡らせると、近くに敵兵力――敵基地を確認。幸い、あっちは気がついていない。

 AnDを走らせると、二十機近い敵機に舞い降りる。

 レールガンと無反動砲、機銃を放ちながら、敵兵力をそぐ。

 奇襲の成否は実働時間で決まるわけじゃない。

 八機の敵AnDを破壊すると、次の目標めがけて、突進。近くにいては敵も攻撃できまい。

 ゼロ距離から放たれる無反動砲。敵機が砕けるのを見届けることなく、次のAnDに向かっていく。

 味方を失ったショックからか、操作がおぼつかない敵機を次々と破壊していく。

「よし。あと一機」

 残り一機になったAnDは信号弾を発射し、撤退していく。

 敵基地を単機で奪還すると、俺はそこの補給物資を使わせてもらう。

 それにここからなら、味方へのアプローチができるはずだ。

 ホッとひと息吐くと、俺はAnDのコクピットを開く。

「任務終了。これより敵基地を制圧する」

 拳銃を片手にコクピットから降りる。


※※※


 AnDの続き(?)を書いてみました。やっぱり、こういうのも書いていきたいですね。でも、あまり需要がないんですよね、巨大ロボット。一応ジャンルとしてはリアルロボットですが、WEB小説だと特に人気にんきがないような気がしています。


 そういえば、「人気にんきのない」と「人気ひとけのない」は同じ文字でもまったく違う意味合いになってしまいますよね。こういったのは時々あるので、ルビを振る方が優しいですよね。

一時いっとき」「一時いちじ」とかもそうです。

 ルビを振るで思い出したのですが、私は初めて登場したキャラの名前にルビをふるようにしています。名前って呼び方が違う場合があったり、個性的で読めない時もあるからです。だから初めてのときや、久しぶりに登場する場合はルビをふるようにしています。

 そちらのほうが読者様に分かりやすいかな……と思ってます。どうなんでしょうね。


 ではでは。

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