第14話 12月15日
異世界ファンタジーということで買った『スキア・スレイ・ファンタジー』というVRMMOゲームをセットする。
その世界ではスキアという魔物が闊歩しており、それを撃退していくことで物語りは進む、という内容だ。
VRヘッドセットを利用し、さっそくゲームを開始する。
ふわりと浮遊感があったあと、タンと地面に降り立つ。
始まりの街『リスタート』。そこの教会に降り立ったらしい。
「おお。勇者よ。よくぞ、訪れてくれた」
老婆が嬉しそうに目を細めた。着ている服装は修道服、ということはこの老婆はシスターということか。
「神の恩恵を授ける。これより西に位置する街を開放してくれないか?」
「分かりました。西ですね。デォギラントの街ですかね?」
「恐らくはそうじゃ。わしの知っている限り、そこがスキアに襲われているのだ」
戦ってくれるな? と問うシスター。
「はい。いってきます」
「その前に、この子を連れていってほしいのじゃ」
「と仰いますと?」
神の彫刻の裏から、少女が現る。
金色の長い髪に、新雪のような肌。青い修道服に身を包み、手には錫杖をもっている。
「アリスです。よろしくお願いします」
「この子は回復魔法が使えるので、ぜひともつれっていてほしい。この子に広い世界を見せたいのじゃ」
「……分かりました」
俺は先ほど学んだ
その剣戟を見せるときがきたのだ。
だが、アリスはどうだろう?
デォギラントに向かう、その前に準備を整える。
そして次の街まで足を運ぶ。
林道は雑木林の中を突き進んでおり、白い花や黄色い花が綺麗に咲いている。
暖かな日差しをうけ、鎧が鈍く光る。
「アリスはどうして俺についてきた?」
「うん。スキアを撃退するため」
「そうか」
このご時世、スキアに家族を奪われた者は多い。この少女もそういった経験をしているのかもしれない。
~続く~
※※※
なんとなく、ファンタジーものを書いてみました。
ちょっと書くのに手間取ったので、自分でも驚きました。
言葉が出てこないのは久しぶりかもしれません。とはいえ、プロットを書いているわけではないので、手間取るのは当たり前かもしれませんね。
勇者と、その仲間が冒険に旅たつところまでを書いてみました。続きは明日の予定です。
ちなみに〝スキア〟とは〝影〟の意味合いで、私がファンタジーものを書く時の魔物として描くことが多いです。
他の作品でも書いていましたが、今は削除してしまいました。また機会があれば書いてみようと思います。
書きたいものがいっぱいあって大変です。
ではでは。
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