博士と助手

渋谷かな

第1 博士と助手

「博士。今日の課題はなんですか?」

「今日の課題は、どれだけスライムを倒せば魔王を倒せるかだ!」

 アホな博士と助手がいた。

「面白そうですね。いったい何匹のスライムを倒せば、魔王を倒せますかね?」

 アホな助手、原宿子。

「それを知るために実験するのさ。アハッ!」

 アホな博士、渋谷子。

「レッツ・テスト!」

「おお!」

 こうしてエンターテイメントに博士と助手の実験は始まった。


「出たな! スライム!」

「ニヤッ。」

 スライムが現れた。どうする?

「攻撃しろ! 全砲門開け! 主砲! 照準を合わせろ!」

「博士、初期装備は拳だけなんですが?」

「・・・・・・がっかりだよ。そんなことを言っているから、君は万年助手止まりなんだ。」

「グサッ!?」

 心を抉られる助手。

「すいませんでした! 今度こそ成長してみせます!」

「そうだ! 次、頑張ればいい!」

 次があったらね。

「えい!」

 助手の攻撃。スライムに1のダメージ。

「ニヤッ!」

 スライムの攻撃。助手に777のダメージ。助手は死んだ。

「安らかに眠りなさい。」

 助手を供養する博士。

「勝手に殺さないで下さい!? そんな強いスライムが最初っから現れる訳ないでしょうが!?」

 ゾンビとして生き返る助手。

「すまんすまん。今度は私も一緒に戦おう。」

 博士と助手の二人パーティーになった。


「ニヤッ。」

 スライムが現れた。どうする?

「くらえ! 我がビームサーベルを!」

「え!? ビームサーベル!? 博士!? 最初は木の棒とか棍棒じゃないんですか!?」

「初期装備が協力ではいけないと誰が言った?」

 博士は暴虐武人な性格であった。

「マジか!?」

 博士はスライムを攻撃。スライムに9999のダメージを与えた。スライムを倒した。

「よし! 勝利だ! 記念すべきスライム1匹目だ! キャッホー!」

「これでいいのかな?」

 一人納得のいかない助手であった。

「やったー! 勝利だぜー!」

 博士と助手は経験値1と1ゴールドを手に入れた。

「チッ、少ねえ。」

 悪態をつく博士。

「仕方がないですよ。最初なんですから、最初。」

 博士をなだめる助手。

「そうか! 良いことを思い出したぞ!」

 博士は何かを閃いた。

「ニヤッ。」

 スライムが現れた。

「まず助手を倒す。」

「ゲホッ!? なぜですか!? 博士!?」

 助手は博士に殺される。

「次にスライムを倒す。」

 博士は3の経験値と3のゴールドを手に入れた。

「パーティーよりもソロの方がもらえる経験値が多いのだよ。キャッホー!」

 これでも博士なので頭は賢いのであった。

「1億匹も倒せば、魔王よりも強いだろう。」

 結論に至った。

「助手、君の死は無駄にはしない。」

 永眠した助手。

「さあ! 次は何を研究しようかな! キャッホー!」

 博士の実験はつづく。

 終わり。

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博士と助手 渋谷かな @yahoogle

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