入る度にダンジョンが生成される大迷宮で資源をあさりながらその日暮らしをしていた冒険者たち。外の文明は滅亡済みで、大迷宮にすがることでしか生きられない彼らは、運だけが命を繋ぐ唯一の頼み綱だと信じていた。
しかしある日のこと、小さな出会いと発見が彼らの人生に劇的な変化をもたらしたのだった――。
淡々と語られる短文を繋ぎ合わせることで、通常ならば一万字に収まりきらない壮大な冒険物語をみごと凝縮させる試みに成功しています。
前半のローグライクとクラフトサバイバルゲームを組み合わせた退廃的な雰囲気から後半の活劇へと移る爽快感がたまりません。突拍子もない展開ではなく、伏線がきちんと張られて点も好印象。
ローグライク系の実況動画を見たことがある人なら、運頼みでダンジョンへもぐり続けている内は一流じゃないことをご存じのはず。
そういったゲームが好きであれば、是非!