坂道転んだLJKの幕末転移物語
かすてらうまみぃ
第1話「坂コロコロ幕末」1.2
毎日楽しい。就職活動が終わったから。
内定先は事務職。
早めに婚活して結婚。
相手の年収は1000万ぐらいでいいかなぁ。
職業は医者か弁護士。
駄目だったら公務員。
いつもの坂を駆け上がる。
ウチの高校はこれだから嫌になっちゃう。
夜更かしして動画見てたから、全然眠い。
あくびがでてしまい、姿勢が後ろにのびる。
それと同時に足をひねった。
後ろに傾き転ぶ。
景色がくるくる回り、目をつぶる。
コロコロ、ドン。
壁にぶつかった。ホント最悪。
頭がズキズキ痛い。
見回すと見慣れないものがいっぱい。
周りが変。どうなってんの。
周りの人服装がダサい。
マジ。ダサい。
着物を着ている人もいる。
色んな人が次々と私をみて視線をそらしている。
驚いてんのこっちなんですけど。
ヤバイ気がして隠れる。
突然、声が聞こえる。
「ここか。不審者がでたというところは。」
「まだ遠くにいっていないはずです。情報を集めましょう。」
警官みたいな2人組が話している。
なんで不審者扱いなの。
決めつけてかかるから嫌い。
見た目で判断してくるのも。
「そこの建物の細道に入ったとの町人から聞きました。」
「よし。向かおう。」
いますぐ逃げないと。
動こうとした瞬間ビリっという音がする。
「何をしているか。こんなところで。」
やばい。音でバレた。
「ちょっと学校に行く途中で。」
「うるさい。話を聞くから出てこい。」
「ちょっと服がひっかかってて。」
「いいから。こっちにこないか。」
道に戻され、スカートのが破れる。
「おまえは何者だ。どこからきた。」
「・・・。」
頭が真っ白になる。
「どこからきた。答えろ。」
「・・・。」
何も答えられない。
「はやく答えろ。」
警棒を振り上げる。
何でぶたれんの。
嫌だ。誰か助けて。
スッとわたしの後ろから手が出て、警棒を掴む。
「子ども相手に何やってんだい。物騒だね。」
警官達は驚いた様子で私の後ろに注目していた。
「不審者がでたという報告を受けてですね。」
2人組はパニックになってる。
私も恐る恐る後ろを振り返る。
和服姿の目つきが鋭い女のひとが立っていた。
「不審者だって。この娘が何かしたって証拠はあんのかい。」
「証拠はないんですが。」
最初の威勢はなくなり、威圧感に負けている。
「道の真ん中娘を追い詰めるほうが不審だよ。」
「未然に防ぐようにと上から言われていますので。」「防ぐために警棒ね。この子は私が預かるからさ。あんたらは帰んな。」
男2人はそれを聞くと、逃げ出すように去っていった。
女はゆっくりと語る。
「名前は何て言うんだい。」
「ケイコです。」
「奇遇だね。私はケイっていうんだよ。ちょいとついてきな。」
「いいんですか。」
「まぁね。ここにいても色々巻き込まれるだけさ。」
視線がスカートに向く。
「ボロボロになってしまったね。これ羽織ってな。」
マントを渡してきた。
「ありがとうございます。」
「アタシの家はすぐそこだから。」
何者なんだろう。いい香りがする。
案内された建物は大きい。
門が広いし玄関も広い。
軒先には大きな看板がある。
やといゆ。読み方が分からない。
漢字も勉強しておくんだった。
扉をケイさんが叩く。
すると。和服の割烹着きた女の人が出てきた。
「おかりなさい。」
「ただいま。この子はわたしの客人だよ。」
「えぇ。わかりました。」
「ケイコ。向こうに客間があるから。そこにいるんだよ。」
「はい。」
家は二階建て。
客間は廊下の突き当りにあった。
引き戸に手をかけ中に入る。
すごい広い。豪華な部屋。
おしゃれなものがたくさんある。
2人で過ごしているにはもったいないぐらいの広さ。
まるで学生寮みたい。
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