関連作品を公開いたします 

勇者召喚に応じたら、游者(ゆうしゃ)になっていた


https://kakuyomu.jp/works/16817330650691493953/episodes/16817330650691601501


という作品を公開いたします。


章勤という常山順平より先に召喚されていた少年の物語です。


最初の一話だけここに公開いたしますので、どうぞ続きは

勇者召喚に応じたら、游者(ゆうしゃ)になっていた

で読んでいただきたいと思います。


オイヴィ以下数名が登場予定です。


●  ●  ●  ●  ●

 俺の名前は章 努しょう つとむ

 実家暮らしの何処にでも居るごく普通の野郎さ。


 普通じゃないのは、親父が死んじまって、収入が途絶えた事だな。

 それまでは親父の収入で暮らしていたが、一家の大黒柱は心臓発作であっけなく死んじまってな。


 そして葬儀も終わりやっと家が落ち着いたと思ったら、今度はお袋が死んじまったよ。


 ああその前にあれだな、姉貴が出戻ってきやがったんだよなあ。

 まだちっこい子供を連れてさ。

 あれだけ両親に結婚に反対されてたのを押し切って家を出てったのに、結局旦那に浮気されて、まだ1歳の子供を連れて実家に戻って来やがった。

 お袋はその子の面倒を見てたんだけどさ、親父が死んだ後にそんな事して心労が祟ったのか、脳卒中で死んじまった。


 それは今更どうでもいい。残された俺は自分の収入で生きなければならないんだ。


 俺は今風呂に入ってるんだ。

 姉貴が入り終わったから、入れ替わりで入ってるんだが、この広い家も寂しくなったもんだ。


 俺はいつも長湯をするんだ。

 何せこの風呂、天然の温泉だからさ!

 その昔温泉が街で出て、当時の希望者には源泉から配管引っ張ってもらって、各家庭に繋げてもらってるんだよ確か!

 反対した所には無いらしいが、親父は、いや祖父さんだな、祖父さんは賛成派だったらしく、そのおかげで今も我が家は温泉が自宅にあるんだ!


 そのせいか俺はいつも長湯をする!

 今も頭にタオルのっけて、タブレットを持ち込んでネット見ながらまったり。

 あとはあれだ、スマホとスピーカーで音楽聞きながら。

 今日はベートーヴェンの第7を聞いてる。

 クラシック聴きながらだと、心地いいんだよな。


 そして疲れていたのか、つい油断してしまって、湯船で寝てしまったようだ。

 はっと気が付けば手にしていたタブレットを湯船に落っことしちまって、俺は慌ててタブレットを湯船から取り出し、タオルで拭いたんだが、おいおい水没で壊れなかっただろうな?

 一応防水ケースには入れていたから大丈夫だよな??


 だが何ともなかったようで、画面の表示は問題なかったが、問題があるとしたら、水没直前ネットで小説を読んでいたんだが、水没させて慌てて引き上げ、画面を拭いたどっかのタイミングで、画面に出ていたリンクの1つに触れちまったのか、何か知らないサイトに繋がったようだ。


 コミックスの広告か?よく出ているからな。

 そう思ったがどうやらゲームの方だったようだ。

 何やら綺麗な外人の女が何か訴えている。


 何か日本語が微妙に変だが、これはもしや中華のゲームか?

 何やらゆうしゃとなってこの地を救ってほしいとか、そんな感じだと思うんだが、微妙にニュアンスが違うんだよなあ。

 そして何やら画面に世界の危機とやらが映し出されてるが、うげ!

 なんじゃこりゃあ!

 妙にリアルっぽいぞ?

 おいおい、あれはオークか?

 オークが人を殺し、え!いいのかこれ?

 女を捕まえて犯してる所が映っているぞ?しかも無修正だぞ?

 いや、魔物に犯されている所見せられてもなあ。

 更にヒートアップしていく映像。

 次に映っているのはオークが野郎を殺してる場面だ、つまり首ちょんぱだぜ!

 思わずゲロりそうになるぞ!


 そしてなんだ?召喚に応じて下さいませんかだって?

 つまりあれか、これをハイにすれば、ゲームが始まるのか?


 俺はこの妙にリアルな宣伝画面に興味を覚え、最初は無料だろうとか勝手に考え、ちょっとだけとか思いながらハイを押したんだが、その瞬間、何やら画面が光りだし、カウントダウン?

 残り2分とか出やがった。なんなのこれ?


 え?2分でスタートするの?

 何この状況。何せタブレットが妙に振動始めやがって、急ぎ準備をとか出てるんだよ。

 え?ないと思うがリアルな召喚?

 もしそうなら俺裸だぞ?

 俺はこの時直感で嫌な予感がしたから、急いで風呂を出て、ああ!もうこの時点で1分切ってるじゃねえか!

 脱衣所に向かい、洗濯カゴに用意してあった着替え等をとりあえず突っ込み、バスタオルで下半身を巻き巻きし、念の為洗濯機に突っ込んである、さっきまで着ていた服をやっぱりカゴに突っ込み、ああ時間がねえ!姉貴の服もあるが分けている時間がねえから一緒くたにするが、残り時間を見るとあと10秒?

 タブレット!とか思いながら後は財布やらモバイルバッテリーをカゴに突っ込み、残り5秒でスピーカーとスマホ、タブレットを湯船に戻ってからカゴに突っ込んだが、どうやらこれで残り0秒になったようだ。

 まあ何もなければ知らん顔して洗濯機に色々戻せばいいが、女もんの姉貴が着ていた下着とか触っちまったからなあ。俺はそう言った趣味はねえが、もし俺の勘違いじゃなく、何も起こらなかったら、しかもバレれば間違いなく変態扱いだからな。


 だが、嫌な予感は当たるもんで、俺はこの大きめのカゴをしっかり持ったまま、風呂のお湯ごとどっかに飛ばされちまったようだ。


●  ●  ●  ●  ●


以下順次公開いたします。

12月18日現在33話まで完成済みです。

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