第588話 ロンドロッグに入る
翌日、朝食を取り再び出発。
先ずはゲートで機能到達した場所へ移動します。
フェンリルはいませんでしたが、呼びかけにすぐに応じ駆け付けます。
「昨日はずいぶん走らせちゃったけど、大丈夫かい?」
【あと数日はこの様な感じで全く問題ない。】
タフですね。
ただこのままではこちらが辛いです。
そうは言ってもスキルがあるのでどうにでもなるのですが。
【大陸の端まで行くのであれば、我がそのゲートを運んでやろうか?】
そんな提案をしてくれますが、一応自分の目で道中を確認したい、と言うのもあるので魅力的な提案だけど却下です。
「すまないが道中自分の目でどうなっているのか確認したくてね。」
【我は別に構わぬ。ただ我は走った場所が全てではないぞ?】
そりゃそうだけどね。
「別にそこ場所に誰が住んでいてとか魔王による被害がいかほどなのか、と言うのを確認したいわけじゃあいんだ。環境を見たい。見たいじゃないね、感じたい。」
【環境?何の事だ?】
「まあ一言では言えないけど、簡単に言えばその地域の気候だね。そうは言っても1年中過ごさないとわからないとは思うけど。」
砂漠だったり、雪に覆われている山だったり、極端な例もあるかもだけど、暑さ寒さ、湿度なんかも変化があったりするだろうし。
あとは魔素。
常山領の中心地は魔素が濃い場所です。
まあこれに関してはフェンリルもわかると思うのですが、フェンリルはこの辺りも来た事あるのかな?
【若いころ、大陸中を駆け回った事がある。】
ああ、やんちゃな頃があったのね。
すると今までだんまりだったガルムが声を・・・・念話だけど・・・・かけてきます。
【私も同じでね。強いオスを求めて旅をしたもんさ。そして知り合った。】
聞けば番になるには己の力を見せる必要があったとかで・・・・え?お互い戦ったの?しかも全力で?
フェンリルとガルムが夫婦になるのに戦った場所は、今でもその爪痕が色濃く残っているらしいです。
フェンリルほどの強さの魔獣が同じぐらい強いガルムと戦ったのならさぞかし地形が変わってしまったんでしょうね。
あと、フェンリルの移動速度が速いのであまり意識はしていませんでしたが、結構蛇行している様子。
【直線だとかえって疲れるのだ。】
どうやら魔素の濃い場所を通っているようです。
魔素が濃ければその魔素を己の体内に吸収しやすいんだとか。
フェンリルは得物を狩って食べ、それを己の血肉とするようですが、フェンリルの動きはどちらかと言えば魔力を用いています。その魔力を補充しながらの移動となれば必然的にこうなるのでしょう。
で、体内の魔力を極力減らさないようにするには魔素の濃い場所を通るのが一番。そしてそれが結果としてフェンリルの移動速度が一番効果的になる。
なるほど。
そして2日目、特に何も出会う事無くロンドロッグに入ったようです。
ただ、見渡す限り人がいるような雰囲気はありませんね。
【さすがに人族が住むのはもう少し先だぞ。】
なるほど。
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