第573話 偶然の産物
さて原因がわかった訳ではありませんが、起因する物がわかったので、調べます。
特に変な呪いやこれと言った付与も見受けられず、単なる装飾品のようです。
ですがこれが原因なのは明らかなので、どうしてこうなったのかもう一度確認します。
見てもわからないので、僕は手にしました。オイヴィは止めようとしましたが間に合わず、あっ!という顔をしていました。ごめんね。
鑑定で呪いの類ではないとなっているので問題はないと思うのですが、それに魔道具の類でもありません。
まさかこんな装飾品に凝った仕掛けが内装されているとも思えないので手にしましたが、触った感じ特に異変は感じられません。
なんだろう。
僕は感覚を研ぎ澄ましていきます。
特に手に触れている部分の感覚を鋭く、ほんのわずかな変化にも反応できるよう集中して。
そして、
「もう一度喋ってみて下さい。」
娘さんはしゃべり始めます。
そして1という数値が出た瞬間、手のひらにわずかな何かを感じます。
普通にしていてもわからないような本当に僅かな変化。
この装飾品、特定の言葉に反応している?
これはつまり・・・・振動?いや共鳴でしょうか?
例えば空気を伝わって、特定の周波数に反応するとかそういうのでしょうか?
それに特定の言葉がその周波数に該当し、微量ながら振動を発する。
そしてそれが周囲にも影響を与えている?
偶然なのでしょうが、ここにある何か別のアイテムも影響しているのでしょう。
そう言った複数の重なりが、こうした意図せぬ現象が発現してしまった。
なのでいくら調べてもそこに悪意はなく、また明確な意図もないわけで。
結局このアイテムを別の場所に移しておけば、今までのような異変は起こらないようで、これで解決。
そう思っていたのですが・・・・
「まあ秘書さん、これ凄いですわ!」
「そうでしょう?宜しければお近づきのしるしに差し上げましょう。」
「いいのですか?しかしこれが男女の
?
?何か違う気がするのですが。
「まぐあいですか?少々違いますわ。これは明確な子作りですわ。」
「こ、子作りですか!わ、私にもできますでしょうか?」
「出来ますとも!公爵様はたとえ相手が獣人だろうと一発でキめるお方!たとえ魔族であろうとも一発で仕込んでくださりますよ?なさいますか?」
「きゃあ!恥ずかしいですわ!しかし・・・・宜しいので?」
「かまいません。公爵様は貴女様のような細身の胸の薄いお方がドストライクですから。」
「それってどうなのかしら?顔は自信がありますが、この様なぺったんこですから。」
「そんな事はありません。ほら寄せてあげればあら不思議!」
「あ!谷間が出来ています!信じられません!この私に谷間が!どうでしょう!この谷間!どうどう?」
ええとどうコメントしたら?
あらゆる付与を施した
こうして武装した女性はその女力を増幅、一気に攻略相手に突撃、撃沈させる事の出来る破壊力を得る禁断の装甲。
しかし手を出してはいけない!そう本能が告げています。
ですがここに味方はいません。私の退路は既に断たれ、あっけない最期を迎えてしまいます。
「ご馳走様でした。」
何故か私の息子に手を合わせる娘さん。
そして泣く事すら許されず、次の作業を命じられ、この場を去ります。
子作りが作業って・・・・
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