第554話 優秀な家臣では駄目なんですか?

いやしかし、僕ってそんなに性欲が強いの?


「公爵様のスキルに【性豪】というのがございます。そのスキルある限り・・・・公爵様には他にも【絶倫】スキルがございましたな。諦めて下さい。」


うわ・・・・今まで意識していなかったけれど、この手のスキルの発動させる条件は?


もう今更ですが・・・・


ユハニの指摘はまだまだ続きますが、もう僕の耳には聞こえません。


何やら他にも怪しいスキルが悪さをしているようですが・・・・



成程どうして僕はこんなに沢山の妻が必要なのか分かった気がします。


他の男と比べた事もありませんし、自分の性行為が妻達に与える影響がいかほどなのか、考えてもみませんでした。


どちらかと言えば僕が種馬?

しかし現実は違うようです。


そして何処に行ってもこう言う問題は常に付きまとい、何か異性を引き付けるスキルがあるのでは?

そう思ってしまいます。


「公爵様宜しいか?優秀な家臣はそろいました。領地は未だ発展中。その発展度合いは留まるところを知りませぬ。このままですとそう遠くない未来に常山皇国なり王国を・・・・帝国でもよろしいが、目指すべきでしょうな。」


いや待って、新たな国を興す?しないよ?


「ユハニ、一つ言っておく。僕は国王やそれに近い存在になるつもりはない。国を興す?絶対にしない。」


「左様ですか・・・・しかし既に時遅しですな。外堀は既に埋まっております。」


え?時すでに遅しってどういう事?


僕はてっきり先ほどの流れから、獣人の女性をあてがわれるのかと思ったのですが、どうやら話が違うようです。

そしてその流れは僕が望んでいない流れ・・・・


これは・・・このままでは僕は担がれる!

駄目だ!それは駄目!


しかし並行世界ではこのような結末になりそうなルートはなかったはず。


どうするか・・・・


そうだ、旅に出よう・・・・


僕は旅に出る決心をしました・・・・

しかしここで思わぬ伏兵が。


順平ははにげだした。しかし、まわりこまれてしまった。


え?まだ逃げる前段階なんだけど、どうして先回りを?


「家臣たるもの常山領の利益を考えねばなりません。では獣人の皆様、しっかりと励んで下さい。」


そう言ってユハニは去りました。


いや待って、領地が発展していても、行きつく先は小さな集落でしょ?


それらを任すのは家臣でもいいよね?


そんな言を思っても、僕の退路は塞がれてしまいました。


だがしかし!僕には色んなスキルがあります。

僕はスキルを駆使し逃げました。


勝手知ったる館の・・・・いやここは公爵領の中でも実際に執務を執り行う建物。

だが何とか・・・・


あ、誰もいない部屋が!扉も空いているぞ?


僕は躊躇せず部屋に飛び込みました。


ベッドと机がありますが、誰もいないようです。

いやしかし何で執務を執り行う場所の近くにこんなのがあるの?

まあ今はいいです。

僕は部屋の鍵を閉め、誰も入ってこられないようにします。

これで安心・・・・


ちょっと落ち着こう。

僕はベッドに腰掛けましたが、その瞬間何やら変なにおいが部屋中に充満していきます。え?何これ?


そして・・・・壁の一部が部屋の外に向かって倒れていきます。


え??ん??なになに?


僕は混乱しました。


何せ壁の向こう側には、沢山の女性が待機しているではありませんか。

あ、ちゃんと服は着ているようですが。


僕は今までこんな部屋があるなんて知りませんでした。


自分の領内の、しかも執務をする部屋の近くなのに?

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