第516話 ヘイマンス領へ
さてこの人数でヘイマンス領へやってきたのはいいのですが、全員纏まって街に入るべきか、数人ずつで入るべきか・・・・
どうして何も考えておかなかったのだろうと後悔するも、あ!
章君が我先にと街の中に入っていくじゃないか・・・・
「おらおらあ!いくぜええ!!」
よくわからないノリのまま、一人街に入る。
「章殿お待ちください!おい、仕方ない、あの阿呆が暴走だ。皆当初の打ち合わせ通りに頼む。」
そう言ってバイエンス氏が追いかけてった。
「では参りましょう。」
バイエンス氏の奥様がそれぞれ・・・・2人が章君とバイエンス氏の後を追い、2人が皇女様の元へ。
「皇女様、護衛いたします。」
護衛と言っても魔法だね。
どう見ても武器を手に前衛と言う感じじゃない。
「まあ、ありがとう。では章様を追いましょう。」
しかしいいのだろうか。
魔王はロンドロッグを亡ぼす上で、皇族を皆殺しにしたはず。
それがのこのこと目の前にやってくる。
・・・・どうしてこんな事を考えられなかったのだろう?
いやしかし、章君は本来勇者として召喚されるはずで、そして今僕は勇者と言うジョブを持っている。
であれば魔王と対峙しても問題ない?
そもそも皇女様がここに来る理由がないんだよね・・・・
「常山様、章様が向かう場所に私は着いていくだけですのよ。ではお先に失礼しますね。」
そう言って2人のエルフを従え去っていく皇女様。
「オイヴィ!」
とっさにオイヴィに声をかけると、頷き皇女様の後を追う。
「任せろ。」
そう言った気がしたけれど、もう門をくぐった後。
取り残された僕と僕の妻達。
「ヘルトラウダ、君は戦えない。誰か護衛をつけるから別行動を頼む。」
「分かりました。ギルドへ向かい、事情を説明いたしますわ。」
悩んだけどアリアネとティルザに護衛を任せる事に。
「順平様の命令とあれば。」
そう言って2人はヘルトラウダの所へ。
そんな事を口にしても、実はあの3人はなかなかに仲がいい。
元々知り合いでお互い貴族の娘。
いくら実家が貧乏貴族でもその娘の年が近ければ色々接点もあるらしい・・・・
で、残った友郁達と共に僕も街に入ります。
特に呼び止められることもなく、すんなりと街に入ります。
「順平さん、日本人ってこの街ではどうなのかな?」
友郁が聞いてくるけれど・・・・
「僕が前にこの街に来た時は、おとなしいもんだった。まあここに強制送還された面々だったから、どうかと思っ
たけれど、ヘイマンス子爵の話では特に悪さをしていないし、目立っては・・・・なかったのかな?」
しかしヘルトラウダは目的地が違うからいいけど、章君は何処に行った?
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