第517話 結界の準備

今回同行した妻のうち、日本からの召喚組の友郁・泉・柚奈・瑞華・雪華・麻矢の6人には今回重要な役割を任せています。


魔王の存在を確認できた場合、その周囲を結界で覆ってしまうつもりです。



柚奈・瑞華・雪奈・麻矢の4人で4方を囲い、友郁と泉はその場で臨機応変に対応してもらいます。


結界は100メートル四方ほどまでならその能力に変化はないのですが、距離が離れるほど結界の効果が低くなります。


高さもそう。

一応丸い円を描くようなイメージになっていますが、恐らく30メートルほどの高さまで結界を展開できます。


まあ空に向かって魔法を放ったり、飛行したりしない限りはそこまでの高さは必要ないと思われるので、十分だとは思うのですが、万が一の場合結界が破られそうなところに友郁と泉が移動して補佐を。

若しくは4人のうち誰かが狙われた場合に助けに入る。


それに柚葉・瑞華・雪奈・麻矢の4人にはそれぞれ元侍女の妻が隣で守っていてくれます。


なので今実質僕は一人になっています。


急ぎ章君を見つけないと。


何やら嫌な予感しかしません。


どうしてか魔王に身体を乗っ取られたとされる森信君の状態が、本当に魔王に乗っ取られたのかを確認する前に、章君を見つけないと!と、そう本能?が告げています。


しかし僕はこの街に来た事があるのである程度勝手がわかりますが、章君たちは初めての街のはず。

何処をどうしているのだか・・・・



・・・・

・・・

・・



一通り大通り等を見ましたがいません。

バイエンス氏も、皇女様の姿も見えません。


そしてギルドの建物かな?から出てきたヘルトラウダと護衛についてくれているティルザとアリアネの姿を見つけます。


「ヘルトラウダ!」


あまり大きな声いなら内容こちらに注意が向くように手を振り声をかけます。


気が付いたのか、3人ともこちらにやってきます。


「旦那様、おひとりでは危険ですよ?」



知っているけど仕方ないよね。


「まあそうなんだけど、魔王が本当に森信君を乗っ取ったとして、それを表に出していないって事は、まだ馴染んでいないとか、魔王の能力を生かしきれない何かがあったりとか、あまり表に出したくない状態じゃないかなと思うんだ。だから僕が一人でのほほんとしていて、それに気が付いても手出しできないんじゃないかな?まあそう思ってるんだよ。」


尤も今の僕の能力があれば正面切っての戦いになれば僕が魔王に後れを取るとは思っていません。

後れを取る場合、またもや魔王の罠に引っかかってしまった場合でしょう・・・

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