第496話 久しぶりのお出かけ?
領地に向かっている難民の夫であり父親と思われる人々を確認すべく、順平は出発の準備をしている。
ドラゴンであるポチに乗っていくのである。
で、ポチをかわいがっている雪奈と麻矢はいち早く順平に合流し、既にその背に乗っている。
そして後からやってくる友郁と泉。
出発間際になってようやく瑞華と柚奈が駆け付ける。
侍女に子供を任せるのに時間がかかっていた様子。
「乳母に預けてたんじゃないの?」
ベビーシッターと言った方がいいのか、常山領の館には今、子供一人につき最低一人の女性が世話係として付き従っている。
実際は3交代で各々一人以上は存在している。
多すぎと常々順平などは思うのだが、公爵ともなれば表立って母親が子育てをしてはいけないらしく・・・・何せもし特定の子供に偏った愛情を注いでしまえば、跡取り問題になった時、嫡男とお気に入りの子供、どちらに継がせるかとなった時に無用な争いが起こるのだとか。
そんな無用な争いを避けるのに、大貴族の場合、子育てを自ら関わらないようにし、偏愛をしないようにしているのだとか。
何の為の子供何だか。
子供と共に遊び学び、子供の成長に喜びを見出す。
そんな子供との貴重な時間を一切しない貴族って・・・・何のための人生なんだとか思ってしまう順平だった。
「みんな準備はいいかい?」
順平は日本から召喚に巻き込まれてしまって、その後妻となった女性達にそう訊ねる。
「順平さん、出発できますよ!」
友郁が順平にそう答える。
「順平さん、ポチさんに乗るのもずいぶん久しぶりだわ。それに私達ずいぶんあの家から出ていなかったのね。」
何か考えつつ泉がそんな事をつぶやいているけど、子供の為に色々苦労させてしまったようで申し訳ないと思ってしまう。
「順平さん?何度も言ったけど、私達全員子供と再び出会えて満足してるの。そんな事を考えないでね?」
10年前は女子高生だった雪奈。
今は20代後半となり、美少女だったのが今では落ち着いた大人の女性に変貌している。
「そうそう。ただこの世界の貴族の子育てに関しては賛成できないけどね。」
麻矢もそう言ってある意味不満を語っている。
麻矢も雪奈と共に20代後半の美女。
成熟したその姿に思わず・・・・
「順平!鼻の下が伸びてるぞ?ポチの上でそれはどうかと思うぞ!」
上から叩くのやめて・・・・柚奈には言わないけど、上から女性にそんな事をされると、少ないプライドがさらに削られていくんだよ?
「はあ、まだそんな事を言っているのかしらあ?」
そう言って小さな体で頭を撫でられるのもどうかと思うんだよ、瑞華。
留守を任す秘書さんに、変なプライドなんか捨てて仕舞いなさいと言われ、追い出されました・・・・
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