第492話 想定外の問題

王都での情報は不可解すぎて、アーダとヘルトラウダは引き続き情報を収集、精査するとの事。


知りたい情報が意図的に流れる不可解、そしてそれが何を意味するのか。


なまじ情報が正しいのが問題で、これは可能性として情報トラップではないか、と。


こうした正しい情報をどんどん流させ、そこに一つの悪意ある情報が流れてきたら?


正しい情報と信じてしまい、後で手痛い失敗につながる・・・・


そういう事を狙っている可能性がある、と。


そして次に考えられるのが、知られても問題のない情報を敢えて流している。

相手の利点は、知らせたくない情報を隠す場合に情報の流し方次第ではかなり有効となるようで、そう言うのを狙っている。


「他にもいろいろ考えれれるのでな、例えば情報に翻弄させられる場合じゃ。こうなると情報の優先順位がわからなくなってしまいがちじゃ。」


アーダがそう言って忠告?してくれるけど、もし魔王が相手として、何の目的が?



この時既に順平は魔王の術中にはまっていたのだが、気が付いていなかった。

何せ直接攻撃を受けたわけではないから気が付かないのだ。

一体魔王は何を目的で・・・・そして順平は何を見落としているのか?


・・・・

・・・

・・


「今後の事ですが、常山公爵様はどのようなお考えなのでしょう?こちらは公爵様の善意でこうしてよくして下さっておりますが、当初より対価が必要と言うのは分かっておりますが、その対価を支払う術が今現在ございませぬ。」


今順平は領地に戻り、難民のまとめ役と話をしている。


魔王の策略で意図しないまま王都に連れられ、その後は常山領に移動。


しかしここでの暮らしは快適そのもの。


だが母親たちはいずれ対価を払わねばならず、しかも払う術がなく、どうすればいいか分からず困惑してる。


誰かこの中で特に見目のいい女を公爵様にあてがう?

しかし公爵様の妻達はいずれも恐ろしいほどの美女ぞろい。

そこに人妻が向かった所で相手にされない・・・・


それに特に優れたスキルを持っているわけではなく、そう言った方面でも役に立ちそうにもない。


今後働く場があればそのうち返済できるかもしれないが、ここは祖国ではなく別の国。


まとめ役もそれを重々承知しており、しかも働き盛りの男がほとんどこの場に居ない事から、労働での対価の支払いも厳しくまた公爵様以外でもその家臣に女性をあてがおうにも、いずれも美人な妻と結婚しており、子連れの女ではきびしすぎる・・・・


「働きたいのですか?」


順平は驚いた。

「ええ、我々は今全くお金を持っておりませぬ。ここでの対価が支払う事も出来ないので、労働で支払うしかありませぬ。」


順平は悩む。


元の場所に戻りたくないのかな?

持つ者と持たないものの考えの違い。


「それは・・・・戻れるのであればそれもよいのですが、戻多所で魔王の支配に苦しむだけですので、誰も戻るとは言いますまい。」


思ったより酷い環境だった?

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