第482話 一度に移動できる人数には限度がある

どうやら各集団のまとめ役の説得?が功を奏したようで、移動を開始してくれています。

ゲートに向かいますが、数が数なので凄い列になっています。


ゲートに人が収まるよう誘導してくれる人はこちらで受け持っています。


万が一転送中にゲートからはみ出すと悲惨な事になるので、ある程度余裕をもって転送させています。


え?どうなるかって?


例えば腕がはみ出していたら、はみ出していた部分は残ってそれ以外が転送されるんです。


一瞬の出来事なので気を付けてもらわないと。


一度に100人程が転送できますが、詰めれば200人でも行けます。

勿論先程のように数人でも大丈夫ですが、理由は不明ながら魔力の消費は転送する人数には左右されず、起動毎に一定数の魔力が消費される謎仕様なんです。


なのでできれば一度に送る人数は多ければ多いほどいいんです。

だからと言って一度の起動に時間をかければ、全員の移動に時間がかかってしまうので、その辺りは効率重視です。


ゲートの起動は、起動開始から約10秒です。

一応音と光で分かるようにしています。


最初は光が点滅し、音も間隔があいていますが、転送直前では音は鳴りっぱなし、光は消えます。


そして転送が終われば、次の転送準備です。


因みに転送先のゲートに何かあれば転送できない仕様になっています。

ですがそれは起動時の話で、もし起動後に転送先に誰かが侵入したらどうなるか?


これは分かりません。何せ実験で物を使った時は、その物は消え失せてしまったからです。

だからと言って人間で試す訳にはいきません。


もしかしたらあらかじめ相方を設置したゲートを持たせれば、そのゲートで戻って来る事が出来るかもしれません。ですがリスクが高すぎて試す事が出来ません。


何処かに飛ばされたかもしれませんし、消滅したかもしれません。


人の命がかかっているので、おいそれと試す事もできません。


死んで当然御犯罪者にその任を任すという非合法な方法もあるようですが・・・・万が一生き残れば減刑するとか何もしないでいれば近いうちに死刑に処されるような輩をですが・・・・もし全く違う場所に転送されてしまうという事もあり得るので、それも出来かねます。


結局相当時間がかかるようなので、転送先でも、こちらでも炊き出しを行っています。


魔王の認識阻害か何かわかりませんが、それの効果が無くなってみてわかったのは、ここにやってきた人々は、着の身着のまま、ほぼ荷物も持っていない状態、しかもお腹を空かせている状態。

なのでこちらで食事を用意して配っています。


これが魔王の目的?



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る