第483話 4つのゲートを設置
短期的にはこれでもいいのですが、この人数が全員移住となれば、衣食住に問題を抱えます。
特に食事。
一日二日なら何とかなりますが、三日以上食べないでいると生命活動に支障をきたしますし、一週間飲まず食わずになれば、生命活動そのものに支障をきたしてしまいます。
今大雑把に100名が1分で移動しているようですが、10時間でも5~6万人程でしょう。
これは今日中に全員は無理。
仕方ないので別の魔法陣を用意します。
複製で同じものを複製できるのですが、普段のゲートはそれぞれ固有の番号を持たせているので、万が一同じゲートと認識してしまうと、転送に影響があるのでそれを防ぐのに番号制にしていますが、このゲートにはそれがありません。
なので別のゲートを作る必要があり、密かに別のゲートを作りました。
元効率よく移動できればいいのですが、今の僕にはこれが限界。
このような事態を想定していればもっと別な移動手段を用意したかもしれません。
しかも用水路の移動ではこんな多量の人を一度に移動させる事は想定外なので、しかも今の移動先にはこの用水路での移動での船着き場みたいなのはまだ用意していません。
3時間ほどで新たなゲートが出来上がり、さっそく移動を開始します。
今度は3つ用意しました。
実はこの集団、4つに分かれているようで、つまり4か国の難民の集まりです。
なので各国ごとにゲートを使用してもらう事になりました。
そしてさらに数時間後、全ての人の移動が終わり、その後人の追加がないのでヘルトラウダに頼み、ギルドや国、どちらでもいいので、今回の調査を行ってもらう事にしました。
特に残された魔道具。
「わかりました。ギルドには私から。国にはアーダ様にお願いしましょう。ですがこれが魔王の仕組んだ罠だとすれば、何が目的でしょうね?難民を押し付けただけなのか、この問題を対処している間に別の事を成就しようとしているのでしょうか?それともこの人達を殺させるのが目的だったのか。」
ヘルトラウダも色々考えているようです。
魔王の目的がさっぱり分かりません。
それに今から僕は移動させた難民の対処に時間を取られます。
「じゃあこっちの事は任せるよ。何かあれば僕の所にきて報告してほしいかな。あと、何もなくても定期的に報告が欲しいかな。」
「わかりましたわ。では食事時に報告いたします。」
ヘルトラウダはそう言って去っていきます。
しかし何が目的なのか。ざっくり10万人はいます。
もしかして20万人?
人数が多すぎてさっぱり分かりません。それにもしかしてこの人数なので、魔王の手下が潜り込んでいるとも限りません。
今後しっかり対策をしないと。
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