第479話 意味不明な【なにか】

フェンリルがこの群衆?招かれざる【なにか】の背後から接近、咆哮を上げた途端、聞こえた【なにか】達は一斉にフェンリルの方を見ています。


そしてそれを見たフェンリルがもう一度咆哮を。


そのとたん、

「ぎゃあああああ!!!!!」


「きゃあああ!!!!!」


「fgひうど;gせjんほgp:kj!!!!!!」


???きゃあとかぎゃあとかは何とか聞き取れましたが、最後に聞こえた叫びは何を言っているのかさっぱり分かりません。


スキルである程度の言葉はわかるはずなのに。


そして、フェンリルの近くに居た【なにか】は・・・一斉に散りじりに。

あ、散ったというか、逃げた?

いったい何だったのか?


そして今度はドラゴンのぽち。


ポチは雪奈と麻矢と数年会っておらず、その間は領地から基本離れて・・・・はいないけど、本来住んでいた場所で過ごさせていたのですが、2人が並行世界での子を得るための隔離生活から解き放たれ、すぐに呼び戻したんです。


そして2人はかわいがっているつもりでも、あの時の事がトラウマになったポチは、2人の前ではあんなにでかい図体なのに、丸まってしまって二回り小さく見えてしまいます。


そんなポチが僕の命令を嬉々として実行しているのは2人には内緒です。

きっとストレスが凄いんだろうなあと。


まあ僕としては命令を確実に実行してくれたらいいので、万が一失敗したり、僕の思った結果が得られなかったら、ずっと2人の専属にするよ?

と密かに言いつけてます。


なので間違ってもブレスはないと思いますが。


で、上空からのぽちの咆哮。


図体がでかい分、その咆哮の音量もフェンリルの比ではありません。

フェンリルはどちらかと言えば、声ではなく振動、若しくは魔法を主体としているのに対し、ポチの場合は身体の大きさを生かした音による衝撃波っぽい奴。ソニック何とかかな。


で、当然聞こえた【なにか】は上を見るわけで。


で、ドラゴンとわかると・・・・



もう確定です。逃げ出しました。

それも我先にとパニックになって。


いったいこの群衆は何しにここにやってきたのか。

いくらフェンリルとドラゴンとはいえ、数の暴力の前には屈するはずです。

それをしようとせず、ただ逃げる。


王都を侵略しに来たのではない?

では一体何をしに?


暫くして王都の周囲にはこの【なにか】はほぼいなくなりました。

しかし全員がいなくなったわけではなく、中には逃げ惑う【なにか】に押され転倒し、その場に倒れてしまった【なにか】や、どう見ても泣いている・・・・子供?


その場にどう見ても無力な【なにか】が数十体残されています。


そして群衆が去った後には数個の魔道具が残されており、僕がこの魔道具を念のため収納かばんに仕舞うと、目の前に取り残されていた【なにか】に変化が見られます。


気が付けば取り残されているのはどう見ても無力そうな人間。ちょっと肌の色が見慣れないですが、特に女性と子供が多くいます。


ええとあれ?魔物に見えていたのが何故?


もしかして強力な結界とか認識阻害の魔道具だった?

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