第478話 フェンリルそしてドラゴン(ぽち)

フェンリルもそうですが、妻達に【ぽち】と勝手に命名された従魔のドラゴンも呼び出し、空からの威嚇を担当してもらいます。


悪意のある攻撃を受け、自身の身に明確な殺意を持っての攻撃ですが・・・・つまりポチを明確な殺意で襲い掛かって、攻撃を受けない限り反撃はしないように釘を刺します。


【いいかい、万が一攻撃を受けても、それはパニックになったり、恐怖からくる混乱の可能性があるから、攻撃を受けたからと安易に反撃しないように。そして反撃も攻撃してきた奴だけにするよう厳命しておくよ。】


エンシェントドラゴン、つまりポチは何か不満そうですが、


【何か理由があるの?】


【勘だけど、何かこう、攻撃をしてはいけない気がしてね。そして君達従魔は生半可な攻撃じゃダメージすら与えられないだろ。だから様子を見るのにちょうどよくてね。】


【よくわからんが、ブレスかませば一瞬で終わるぞ?】


【それだけは駄目だ。ポチが明確に命の危険にさらされた場合のみ許可をするけど、その場合もできればその場を離脱してほしい。】


【逃げるのではなく離脱だな。わかった。】


ポチは雪奈や麻矢のお気に入りで、何故か一緒にやってきています。


そしてポチに色々言っていますが、心なしかポチが震えているような・・・・気のせい?


そしてフェンリル。


【わかってると思うけど、決してこちらからは手を出さないように。】


【ああ、我も遠くから見たが、何かおかしい。魔族だろうあれは。魔獣ではないな。】


魔族?


【魔族って何だい?】


【魔王の眷属だな。ただ、それすら怪しい。ひょっとすると魔大陸の住人ではないか?魔大陸には行った事がない故分からぬが。】



フェンリルの指摘になるほどと。僕も違和感を覚えたので、様子を見たいと思ったんです。

幸い?数が多すぎてアルノルト国王も相手が攻撃してこないので、様子を見て?対応できていないだけかもだけど、未だ誰も攻撃をしていません。


本来なら侵略とみなし攻撃しても問題ないようには感じますが。


【では行ってくる。】


フェンリルが城壁の外の、招かざる何かに接触を図ります。


一応囲まれている外側から接近し、少し離れた場所で威嚇の咆哮を。

うわ、すごく怖いんですけど。


そして時を同じくポチが空からやはり威嚇の咆哮を。


それ従魔の間で流行ってるの?


で、見ていると何だか招かざる何かは狼狽えているような気がします。


フェンリルを視認した何かは、つまりフェンリルの近くに居たなにかは混乱したのか一斉に散っていきます。


そしてポチを見たなにかもやはりどう考えても狼狽えています。


その姿を見て益々違和感を感じます。


この何かは、王都を襲いに来てるんじゃない?

よく見ると武器らしいものを持っているのはほとんどいません。


持っていて護身の為にではないかと思う程度のせいぜいショートソード。

何だろうこれ。

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