第452話 黒い影
うーん、誰かが意図的に何かを仕組んだとして、そのメリットは何でしょう。
魔王でしょうか?
魔王はなんだかんだで策士のようですし、魔王がそうなのか、魔王の部下がそうした策を弄するのか分かりませんが、可能性はあります。
まあしかし、今は目の前のダンジョンです。
取り敢えずどうしてこうなったかはダンジョンから帰還してからにしましょう。
「ええと確かレクスだっけ?」
「あ、なんだ?」
「ダンジョンから帰還した後、詳しく話を聞きたいので、戻ったらまずはギルドに顔を出してほしいんだけど。」
「げ!俺そう言うの苦手なんだけど!」
「まあまずはエレケを通して色々確認するから。」
「うがあ!どうしてこうなった!!!!」
それを言いたいのは僕の方なんだけど。
それにエレケと話をするのに何か問題が?
「どうしてこうなったって、領主に無断で、出入り禁止にしてるダンジョンに入ったらこうなるよね。というかまだ甘いと思うんだけど。」
「え?ど、どういう事で?」
「ダンジョンを出入り禁止にするんだ、それなりのりゆうがあるはず。それをロクに調べもしないで、そうそうギルドにも当然依頼は一切ないし、問い合わせれば出入り禁止は教えてくれるはず。それを怠って領主に不利益をもたらしてるんだ。罰せられて当然。」
もし僕が厳しい領主なら、きっと死罪か、奴隷落ちだろうね。
「あ・・・・そ、それだけはご勘弁を!俺、何でもするっす!」
「・・・・じゃあダンジョンの事を君達獣人に話した誰かを見つけて連れて来るか、連れてくるのが無理なら居場所を知らせる。これで許せるけど。」
「む・・・・わ、わかった。臭いは覚えている。何とかする。」
あ、何とかなるんだ。
「どうなのエレケ。」
「ああ、臭いを覚えてるなら何とかなるんじゃないか。臭いって飯変えたり香水つけてごまかしても俺らは身体からにじみ出る臭いは区別できるからな。飯変えれば出る汗の臭いが変わるんだけどさ、変わるのってほんの一部だし。人間には思いっきり変わるかもだけどさ、俺らをごまかすのは至難の業さ。」
おお!それは頼もしい。
「だけど無理は駄目だよ。ダンジョンに君らを誘導したのには何かしらの意志を感じるからね。それが何かがわからないから、相手の正体がもしかしたらとんでもない化け物かもしれない。化け物って言っても化け物じみた強さって意味だけどね。それとこのダンジョンをこのまま攻略する事で、相手に何らかの利益が出るのかもしれない。だからもうこれ以上は駄目だ。」
「うう、わかった。おいてめえら、聞いた通りだ。今からあの女2人を捕まえに行くぞ!」
「おお!」
女が2人なんだ。
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