勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず！

第453話 帰還準備

　レクスの掛け声？の後、他の獣人が撤退準備を始めます。

　何せ食事を、しかも大量に作っていたはず。

　たぶん今この場には１００名ぐらいの獣人がいるので、その食事を作るのもなかなか壮観。

　そしてどうやって持ち込んだのか、鍋とかの器具が大量に。

　ただ竈は石を積み上げてるので何処かに落ちていたのを利用した様子。

　あと鉄板は・・・・盾？盾を利用したの？

　いくらなんでも無理があるような。

　しかも勝手にダンジョンにやってきたわけで、収納カバンとかは持ち合わせてないと思うので、どうしていたのでしょうか。

　じっと見ていると、早速調理器具を撤収、大きなカバンに入れて・・・・飛び切りでかい獣人が、難なく背負っているではないですか。

　ああなるほど。体がでかいから、大量の荷物を背負っても問題ないのですか。

　そしてレクスもなかなかに立派な体格の持ち主。

　そう思っていると、鉄板・・・・盾を手に取り・・・・それ汚れているんじゃ？

　で、あっという間に体格のいい獣人が荷物をそれぞれ背負っていきます。

　戦闘の時はどうするんだろ。

「てめえら準備はいいか！」

「いつでもいいぜ！！」

「よっしゃああ！！！あの女どもを捕まえに行くぜ！！」

「「「「「「おお！！」」」」」」

　そして止める間もなく走り去っていきました。

　おーい、なんで勝手に戻るんだよ。

　仕方がないので僕とエレケも戻ります。

　しかし、早いなこれ。どうするか・・・・

「なあエレケ、あいつらってあのまま走り続ける気かな？」

「あのままの速度で一日中走っても平気な連中だからな。きっと人間なら追いつけないぞ。」

　それは困った。あ、エレケなら一人でも問題ない？

「エレケなら追いつける？」

「ああ、簡単だ。」

「じゃあ悪いんだけど、ゲートを設置して僕は先に戻るから、エレケは僕が消えたらゲートを回収し、あいつらを追ってくれないか？ゲートの入り口で奴等らを止めるから、エレケはスタミナに問題なければダンジョンの入り口まで頑張ってほしい。」

「わかった。じゃあ早速やってくれ。」

　僕はその場に停止し、ゲートを取り出します。

　こういう場合を想定し、常にゲートを持ち歩いているんです。

　領主の館に通じるゲート。

　そこからダンジョンの入り口は、今いる所からダンジョンの入り口に戻るより圧倒的に早く着くはず。

「では頼む。」

　僕はゲートを使い、館に戻ります。

　もし上手くエレケに伝わってない場合は、後でもう一度回収に来るか、使用できないようにすればいい話。

「おかえりなさいませ領主様。」

　早速秘書の一人が出迎えてくれますが、

「急ぐ。問題ないなら走りながら君も来てくれ。」

　あの格好でどうかと思いますが、それは選ばれた秘書さん。

　短めのスカートなのに、一切めくれるような事もなく僕に付いてきます。

「何か問題がありましたか？」

　しかも余裕で話しかけてきます。

　舌噛まない？