第437話 獣人との価値観の違い
洗い終わったので、湯につかります。
少し広めの造りなので、2人で入っても余裕があります。
ただ、身長が2メートルを超えるカップルだとかなり手狭なのは、獣人用と言っても大きさそのものは人間を基準に考えて作ってるからです。
二足歩行の人を想定してますから。
これがもし下半身が馬とかだと無理。
その場合はまた違う設備を設けないといけません。
まあ今回は1週間しか時間がなかったので、仕方ありません。
そもそも1週間前はこの目の前の姫をはじめ3人がやってきたので、この3人を基準にしたのもあります。
そして今姫さんは僕にもたれかかるように湯につかってます。
湯につかるのは気持ちいいですが、やはり人肌はいいです。安心しますし、何だろうこのぬくもりは。
「湯とはこのような気持ちよさがあるのだな。」
ほんのり上気した顔をしてそんな事を言ってますが、あまりつかりなれてないとのぼせない?
「お風呂で湯にはつからないのかい?」
「そもそも風呂には入らぬ。水で充分。」
いや、それじゃあ疲れが取れないんじゃ?
「まあリラックス効果もあるしね、なるべく入ったほうがいいよ。それよりそろそろ出た方が良い。のぼせるよ。」
「うむわかった。」
素直に出る姫さん。
その後シャワーを浴び、体を拭きます。が、湯船の中も、シャワーの後の排水溝も、そこそこ毛があります。
姫さんの毛はきれいですし、手入れも行き届いてそうですが、それでもこれだけ抜けるんですね。
やはりこれでは普通の人と共同風呂みたいのは厳しいですね。
湯上りに冷えた水を飲みます。
そしてせっかちな獣人がかなり居そうなので、体を拭いた後は、バスローブを着てもらいます。
まあ毛があるのでいらないかもしれませんが。
水を飲み終わると姫さん裸になって、
「さて、盛ろうぞ。」
いやいや待って。僕人間ですから。あ、勿論彼女は魅力的です。
たぶん普通にできます。
むしろしたいです。
ですが今はこの盛り部屋を視察に来たのであって、盛りに来たわけではありません。
「そう言うのは獣人同士でして下さい。本日は視察ですよ。風呂に入ったのも本当なら予定になかったのですから。」
「そう言ってもな、ここが盛るのに耐えられる強度があるのか確認するのも務めなのだ。さあ致そうぞ!」
そんな強気な姫さんだけど、なぜか体が震えてます。
そもそも獣人って盛る、つまり発情して子作りするんだよね?
今目の前の姫さんにはそんな感じはしないんだけど。
「なあ、ここを使う獣人って、お互い発情してるんだよね?」
「そ、そうだぞ。それがどうした。」
「ええと姫さん、貴女発情してませんよね。」
「そ、そんなの見ればわかるだろう!」
「ではここまでにしましょう。」
「な!何を言っておる!経験がないからとバカにしているのか?」
いやなんでバカにするの?
あ、それと通常の状態において僕は彼女には力で太刀打ちできません。
姫さん僕を強引にベッドに押し倒し・・・・
「恥をかかすな!」
いや姫さん、確かに初めてだったけど、凄かったとだけ言っておきましょう。
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