第431話 オイヴィの時と同じ屁理屈

 だがしかし!ここでとんでもない事に気が付いてしまったのです!


 かつてオイヴィに対して論破した事柄が。

 論破したよね?え?違うって?結局娶ってるやん!って言われるとこれはある意味・・・・いや、これ以上は言うまい。



 そう、ここは常山領。

 因みにこの国はグビッシュ王国。

 そう、獣人の法が通用しない領域なのですよ。

 つまり尻尾を触って耳を触ってもそれは結婚云々にはならないんです!


 ・・・・その、ごめんなさい。我ながら相当下種い事を言っているなあとは思うんです。

 何せ横では秘書さんがジト目で睨んでいますから。


「公爵様。確かにここはグビッシュ王国・常山領です。しかも公爵様はこの地の領主。ある意味貴方様が法ですので、幾らでも好き放題でしょうが、あまりにもやりすぎれば領民の理解が得られず、いずれ領民の心が離れ、この地から去っていくでしょう。常山領の住民の半数はロンドロッグから避難してきた移民ですし。」


 ・・・・ご尤も。


「忠告痛み入ります秘書さん。まあ今は置いといてですね、獣人の要望と言いますか、盛り部屋?これがよく分かりませんが、何処かに用意できるものでしょうか?」


「置いておくつもりですか?まあいいでしょう。さて暫定的に何処かの建物を獣人の占有としてしまえば、一時凌ぎとしては今すぐに可能でしょう。」


「じゃあ急ぎそれを。その後は何処かに建物を建てたり、獣人特区みたいな場所を設けた方が良いのかな?」


「獣人特区?わかりませんが、獣人の生活は我々と隔たる部分も多いですし、その辺りは多くの獣人に話を聞き、随時法整備をしていけばよろしいかと。」


「じゃあそんな感じでいいのかな?」


「あとは事務的な事柄ですので、お任せ下さい。それと獣人の生態につきましては、今後調査をいたしますので、もう暫くお待ち下さい。」


 生態とか・・・・まあいいんだけど。

 この世界の獣人の位置付けってどんなのだろう。

 今の言葉から想像すると、あまりいいようには思えません。


 何処かこう下に見ているような気がしてなりません。

 何と言ったらいいのか、人より劣っているという風に思われているのではないか、と。


 そして再び獣人と話す事に。

「・・・・とまあ、今後もっと色々知りたいから、こうした話し合いの場を持とうと思うんだけど。」

 3人は悩んでいる様子。


「盛り部屋感謝する。それともし可能であれば服を考えてもらえないか?」

「服?」

「獣人は色々な種族がいる。種族ごとに衣服の形状、大きさが全く異なるからの。」


「まあわかったよ。」

 そう言うと僕はいったん下がろうと思ったのですが、


「ここまでしておいてそれはなかろう?」

 あれ?いいのかな。





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