第425話 我を忘れてしまった
何この手触り、そして感触!
どう言い表せばいいのか、これぞまさしく異世界!!
僕はこの後我を忘れてしまったようで、秘書さんが必死に止めようとしてましたが、制止を振り切り、今度は目についた耳を思わず・・・・
「ふぎゅう」
「みゃあ」
「あへえ」
僕はしばらくこの3人の獣人達にくっついている?尻尾と耳を堪能しました。
いやあ、何この手触り。
素晴らしい!
そして堪能していると、どうやら僕は秘書さんに揺すられていたらしく、なんだか揺れるなあと振り返ると必死の形相で秘書さんが僕を引っ張っている所でした。
「ええと何かな?声をかけてくれたらよかったのに。」
そう言うと、何かを諦めたような表情の秘書さん。
「もう手遅れです。そして何度もお声はかけましたの。」
ええとどういう事?
そして秘書さんが指さす方向を見ると、そこにはどう言い表せばいいかわからない女性が3人、ひっくり返っていました。
「え?何この人達って獣人だよね。」
「ええ。そしてその獣人の最も大事な尻尾と耳を、本人の許可なく触りまくり揉みまくった結果がこれですの。」
へ?何それどういう事?
「まさかとは思いますが獣人と会うのに、尻尾と耳の重要性を認識していなかったとは思いませんでした。」
「え?この尻尾がどうかしたの?」
一番近くの尻尾を掴みます。
「ふぎゅうう」
「いけません!」
この時になってもしかして尻尾ってまずかった?と今更ながら気が付きましたが、異世界だよ?尻尾と耳、獣娘のだよ?そこにあったら触れちゃうよね?
「普通は本人への断り無く触ろうなどと考えません!ああ、なんて事を!しかも3人ですわ!」
「ええとその、何かまずかった?」
「ええと、何処から突っ込んだらいいか分かりませんが、獣人の尻尾を先ず掴むという行為が理解できていますか?」
もうこの段階で既に手遅れなのは感じましたが、もしかして急所だった?
「もしかして急所だった?」
「急所・・・・ある意味急所ですわ。ただ戦闘時は尻尾による攻撃や物を掴んだりといった行為はございますから、ここで公爵様が仰る急所とは意味合いが違いいますの。」
「では何?」
「異性に尻尾を掴まれるというのはまずありえない行為で、あるとすればそれは相手への求婚ですわ。普通そんな意思が無ければまず尻尾を掴ませることなど有り得ませんが、もし尻尾を掴まれてしまえば相手は求婚を成功した事となり、そしてそのまま耳を触らせるというのは相手の求婚を受け入れた証ですの。」
うん?どういう事?
「恐らく3人の獣人は油断もあったのでしょうが、結果3人は公爵様の求婚を受け入れた形になりますの。」
え?そんな事がありえるの?
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