第422話 獣人

並行世界では存在しなかった常山領。


なので此処で起こる問題は全て経験しておらず、今の所はユハニに丸投げ。


殆どユハニに丸投げなので、ユハニもこうした対処には複数の部下に指示を出しているようです。


しかしユハニが対応できない案件は、僕に連絡が来ます。

大抵厄介な事例ですが。


「獣人が揉めています。」


唐突にそう言うユハニ。


「獣人?」


思わず聞き返してしまいました。


「ええ。獣人ですが何か?」


獣人!


いるんだこの世界。


頭に犬や猫の耳を持ち、しっぽがあったりするの?


「揉めてるって、どう揉めてるの?」


獣人が何者かも気になりますが、何に揉めているかも気になります。


「領地はある程度落ち着きましたが、それに伴いそろそろ獣人が快適に過ごせる盛り部屋を用意していただいた方がよろしいかと。それと相反するのですが、症状を抑える薬を手に入れるべきかと。」


ええとどう突っ込んだらいいのかな。


盛り部屋?

聞きなれない言葉ですが何でしょうか。

それに薬とは何でしょう。


「ごめん獣人がどういう種族なのかわからないし、そもそも盛り部屋ってのが理解できないんだけど。」


そこで、え?

って顔やめて?

いやマジでやめてほしい。


「今更だけど一応言っておくけど、僕は転移者。つまりこの世界の住民が常識と思っている、つまり知っていて当たり前な事柄って、僕にとっては当てはまらないから。」


「そうでした。失念しておりました。」


その後ユハニから説明があったのですが、

この世界には、獣人が存在する。

普通の人よりも身体能力に優れ、各々の能力は、種族によって大きく左右される。

僕が聞いた感じでは、犬や猫、クマといった恐らく哺乳類がベースになっていると思われます。


そして種族によって期間や周期が違いますが、成人すると盛りがある。


盛りって・・・・


まあつまり発情し、子作りをするらしいです。


ええと、成人して、パートナーがいればそういった事は人でもあると思うんだけど。


そこまでは何となく理解しましたが、どうやら獣人って、盛りの時は本能が強くなり、性欲がものすごく強くなるのだとか。


そして強く異性の相手を探すようになり、見つけ次第盛るのだとか。え?特定のパートナーが相手じゃないの?


そう思ったのですが、もちろん特定のパートナーがいれば問題ありませんが、そうでない場合はなかなか大変だとか。


そして薬。


妊娠したくない女性は、盛りの季節になるとあらかじめ服用するようです。


すると盛る事なく過ごせるのだとか。


これは獣人というのを知っておかないといけないですね。


それと盛り部屋ってつまり、こうした急増パートナーが往来でそう言う事をしないように、何時でも盛れるように部屋を用意しておくって事かな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る