第419話 ヘルトラウダが2人を連れていってくれました

その後ヘルトラウダがロンパースを所持していた人物と会う段取りを説明してくれ、2人を連れていってくれました。


「何だったんだあの2人って。」


僕は思わずそう呟いてしまいます。


「5年も会わずにいれば人も変わるものだな。尤も彼らはエルフの血が濃い故5年ではほとんど変わらぬのだがな。」


エルフ。


そう、今確かにそう言った。


注 319話で魔王と側近の会話でエルフ崩れというのが出てきますが、順平はそんな会話は知りません。


エルフ、いるんだこの世界に。


そう言われるとオイヴィの顔を見れば納得する。


こう言っては何だがこの世の人とは思えぬ美貌。

あのアーダさえ上回る美貌なんだから、オイヴィがエルフと言われたら納得するけれど、確かにあの2人の兄妹、顔だけで言えば恐ろしいほどのイケメンと美女だからね。


「エルフって、オイヴィもエルフなのかい?」


「純粋のエルフではないぞ。ロンドロッグの住民は皆祖先にエルフがいる。勿論我もそうだ。しかし長い年月で人との混血も進み、今やロンドロッグに純血のエルフはいないはず。」


日本のファンタジーじゃ、エルフと人との子供はハーフエルフと言われてたっけ。

今思えば大変失礼な言い方なんだが。


人から見ればハーフのエルフなんだろうけど、エルフから見たらハーフヒューマンなんだろうか。


「エルフってどんな種族なのかな?」


「うん?エルフを知らぬのか?」


「知らないよ。」


「わかった。では簡単に特徴を伝えよう。」



オイヴィの説明によればエルフとは人と比べ総じて魔法を扱う能力に優れ、精霊との関係を得られやすいのだとか。

無論エルフにも色々な能力が存在し、普通は人よりも身体能力に劣り、力が弱い傾向にあるが、個人では恐ろしく力のあるエルフもいるのだとか。


そして目がいいらしく、魔法以外にも弓を扱う事に優れ、遠距離からの攻撃を得意とする傾向があるらしい。


そして長寿であり、見目麗しい傾向にある。

いわゆる美男美女。


それはあくまで純粋なエルフであって、オイヴィのような人との混血が進んだ場合、その特徴も弱くなるのだとか。


だが目の前のオイヴィに関しては、エルフの美貌を色濃く伝えているようにしか見えない。

そして驚く事に、純血のエルフの寿命は数千年あるとも言われており、今やロンドロッグに純血のエルフがいないので確認できないらしいが、オイヴィの両親はともに数百年を生きたらしい。


ではオイヴィも?


「もはや年齢は忘れた。」


恐らく3桁なんだろう。

だがそんな事はどうでもいい。

うん、どうでもいいんだ。オイヴィも僕の子供を産んでくれたし。そう言えばオイヴィの場合妊娠期間が長かった?


いやどうだったかな。もしかして妊娠初期は見た目に気づきにくいから、結構前から妊娠していた可能性もあるのかな。


そしてこの会話で気が付いたことがある。


今常山領には、ロンドロッグに住んでいた住民が相当数避難してきている。

そしてそのほとんどは定住を希望している。


つまり今後常山領の住民は長寿になるって事?

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