第407話 残された20体のクサンデル氏
妹が離れても、無視して歩き続けるクサンデル氏。
そして残念な女はオイヴィに連行される。
そして残された20体ほどのクサンデル氏。
いや本当何者なんでしょうかこの20人。
それに気になるのはクサンデル氏の態度。
あれほど決闘決闘と言っていたのに、いざ決着がつくと、そんな事はなかったかのような振る舞い。
そして極めつけがこの残された沢山のクサンデル氏。
仕方がないので一度ザーラの所に戻ります。
本当はオイヴィがいいのですが、オイヴィは今残念な女と移動中。
正直あの女にはかかわりたくありませんからオイヴィが戻るまでは近づかない方がいいでしょう。
「なあザーラ、これどうしたらいい?」
考え込むザーラ。
「・・・・埋めましょう。」
え?埋めちゃうの?それ冗談で言って・・・・はいないね。目が本気だ。
そしていつの間にかザーラの隣にやってきていたアーダが、
「ザーラよ、埋めると言ってもどこに埋めるのだ?まさか訓練場ではあるまいな?駄目だぞあんなのをこんな所に埋めては。」
「そうでした!お姉さま、私ったらついうっかりを。」
未だにこの手のジョークがわかりません。
「ジョーク?何を言っておるのだ。」
どうやら本気だったようです。
そしてそんな会話が無駄に終わるかのように、この場に残された、ヨランデ女史がポイ捨てをしたこの20体が、一人、また一人と気が付き始めます。
「召喚者は何処へ行った?」
「いないぞ!」
「負けたら負けたで、返せよ!」
同じ顔の20人がそれぞれ言い始めます。
「いやその前に、どうやって俺たちを召喚したんだ?そんなスキルは所有していないぞ?」
「それは気になった。まさかこの世界の俺は召喚術を使えたのか?」
「それならこの場の俺の誰かが所有しているのじゃないか?」
どういう事か分かりませんが、どうやらこの場に取り残された20人は、召喚されたようです。
誰に?それはつまり、先ほど去っていったヨランデ女史が最後まで捨てなかったあのクサンデル氏が本体。
残りが何らかの理由で召喚されたクサンデル氏。
きっとこんな感じなのでしょう。
ですがどうやって?
「探しに行くぞ!」
「どうしてこうなった!」
そしてそのまま本体を追いかけるその他大勢のクサンデル氏。
「なあアーダ、ザーラ、止めなくていいのかな?」
「知らぬ。」
「さあ、午後からのお茶は何かしら?」
「今日は秘蔵の品を出そうぞ。」
「やった!」
・・・・そこ、現実を無視しないで!
そのまま去っていく2人。
いや、何でさ。僕だって見なかった事にしたいんだけど。
あ、アルノルトと目があったぞ。
そう思った瞬間、アルノルトは目をそらし、
「さあ余は忙しい。戻るぞ。」
アルノルトは逃げた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます