第402話 何故か僕の賭けの対象は情報となってました
「こちらはヨランデを賭けの対象にしたのだ、俺が勝てば皇女様の身柄をこちらに渡してもらおうか。」
この人話を聞いてない!
駄目だこいつ!ぶっ飛んでる。
流石にオイヴィが見るに見かねて助け舟を出してくれます。
「クサンデル殿、我々は皇女様の行方を知らぬのだ。ただ最近手掛かりを掴んだ。まだ確認しておらぬ故知っている者も限られる。どうだろう、この情報を賭けの対象としてはくれぬか?」
オイヴィが助け舟を出してくれたと思ったけれど、残念ながら助け船にはなりませんでした。
これはロンドロッグでは常識なのでしょうか?
日常茶飯時なのでしょうか。
「おお!やはり手掛かりがあったのだな!わかった、その情報でいい!では早速始めようではないか!」
「なあオイヴィ、何故にこうなった?」
「何の事かわかりかねるが、順平殿ならば余裕で勝つだろう。いや、勝負にならんか。それに決闘はロンドロッグにおいては名誉な事だ。」
「なあザーラ、僕全力で回避したと思うんだけど、何が間違ってたのかな。」
ここに味方はザーラ一人しかいないと悟った僕。
「これきっと断っても勝負するまでこの調子なんじゃないかな。だからここはひとつ、受けてあげて思いっきり実力の差を見せつけるしかないんじゃないかな。」
ザーラも味方にはなってくれませんでした。
そしてこの会話に喚起したのがクサンデル氏。
「素晴らしい!ではそういう事でいざ尋常に勝負勝負!」
またそれですか、はあ。
結局理解不能な流れで決闘を受ける事になったんだけど、これに何の意味があるのか、僕には理解できませんでした。
・・・・
・・・
・・
・
何処で話を聞きつけたのか、城の訓練場には、大勢の人が集まっています。
決闘はこの訓練場で行う事になったようで、今僕とクサンデル氏は訓練場の中央にいます。
訓練場といっても、城の設備なので、観客席まであるんです。
闘技場みたいな感覚なのかな。
で、ちゃっかりアルノルトが特等席というべき場所に陣取っています。
アーダもいるね。
何やってんだか。
そして賭けの対象になってしまったヨランデ女史が、やはりこちらの賭けの情報の一部としてロンパースを用意し、それをヨランデ女史が持っています。
「これを着る子を用意しろと?公爵様、わたし頑張りますから!」
いや何を頑張るんだか知りませんが、そのロンパースは皇女様の行方の手がかりだから勘違いしないで!
ですが残念な人に何を言っても無駄なようで、
「これは遠回しにプロポーズだったのかしら?お兄様も粋な計らいをして下さったのね!」
ごめんヨランデ女史、貴女の頭の中はどうなっているのですか?
【あのね、本当は不安でいっぱいなのよ。そう思わせないようにしているだけ(と言ってみる私、ウフ!)。】
うん?何か聞こえた?
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