第377話 周りの国の現状 

アルノルトは僕に八つ当たりをしている。

だけど敢えて止めないで、僕に言いたい事を言わせてすっきりさせていきます。


アルノルトは良き王になろうと努力をしているのですが、周囲の臣下にはその努力がなかなか理解してもらえず、【またか】【いつになれば落ち着くのか】等と思われています。


そしてそういった状況がアルノルトを追い詰めていきます。


しかしどこかでアルノルトにはガス抜きをしてもらわないと。


それがここの温泉です。


男と男の裸のお付き合い。


間違っても


ア―――――!!!!



ではない。


違うから!何で同じ事が二度も?違うから!


まあここで温泉につかり、僕と会話をする事で少しは落ち着く事ができるようです。

しかし今回は少々違うようで、


「それよりだな、周囲の国の事なんだがどうしたらいいと思う?」


アルノルトは唐突に、僕にそんな事を聞いてきます。

どうしたらといわれても、僕には難民を受け入れるしかできないよ?

「我がグビッシュ王国の周辺国は皆、魔王に滅ぼされてしまった。滅ぼされたと言ってもそれは全てではなく、あくまで支配階級だ。国を総ていた、統治をしていた国王や皇帝、国家の代表が悉く魔王に殺された。義兄の所にいる神聖騎士の生き残りにしてもそうだ。」


ここでオイヴィの話が出てきたので僕は口をはさむ事に。


「確か隣の大国の何だっけ?ええと確か神聖帝国ロンドロッグって名の国だったよね。神聖騎士ってその国の騎士だったよね。そしてその一人は僕の妻。それがどうかしたのかい?」


「どうやらロンドロッグ神聖帝国が魔王の襲撃にあった時、皇族の一人が国から離れていたようで、そいつが唯一の皇族の生き残りらしくてな。義兄殿は神聖騎士だった妻から何か聞いてないかと思ってな。」


いや、オイヴィはあまり自分の国の事は話さないし、僕自身あまり関わって何か面倒ごとに巻き込まれるのを避けたかったので、突っ込んで聞かなかったけど、オイヴィの国の事をもっと積極的に調べるべきだった?


「いや初耳だな。じゃあその皇族の生き残りが神聖帝国を復興させるのかな?」


「それ以前の問題でな。未だ行方知れずらしい。」

「5年以上行方知れず?死んだのじゃないの?」


「余も詳しく知らんのだが、どうやら最後の目撃情報は、わが国らしくてな。最近神聖騎士の生き残りが皇女の行方を問い合わせてきたのだ。」


へえ、知らなかったな。じゃあオイヴィの知り合いが問い合わせを?


「その問い合わせは神聖騎士の生き残りが直接しに来たの?僕はオイヴィからは何も聞いていないし、彼女は知らないのじゃないかな?そんなやり取りをしている所を聞いた事も見た事もない。」


何だか波乱の予感がします。

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