第277話 緊急会議

僕はこれはまずいと思い、妻達に一切の作業を止めてもらい、全員に集まってもらいました。

ついでに家臣団からも数名。


僕がガルムからの話を説明すると、アーダが一言。

「撤収だ。」


え?撤収?

「どうして撤収なの?」


「冥王の僕ケルベロスがいるという事は、冥王も近くにいるのであろう。なるほど今まで疑問だった事が分かった。」


「アーダ、それでは僕らは分からない。どう言う事?」


「昔、我が国が建国する以前の話だが、神聖帝国・国名は忘れたが、この世界の約半分を手中に収めておった国があったそうだ。」


アーダが何か話し始めました。


「じゃが、突然一夜にして滅んだという話じゃ。今はその首都の場所も定かではないが・・・・もしやここがその首都だったのかもしれぬな。」


ええとよくわからないのですが。


「アーダ、それでは何の事かわからない。」


「そうだの。侍女たちに聞けば、神聖帝国が一夜にして滅んだ話を訊ねれば、色々答えてくれよう。吟遊詩人も物悲しい話として語っておるからの。」


「それで今回の冥王だっけ?それと関係が?」


「世界中の伝承に出てくるのだが、昔何処かの地で冥王が地上に出現し、当時地上を支配しておった何かと戦ったらしくてな。その折に、世界のあちこちは破壊されたそうだ。そしてきっとこの城郭都市だろうが・・・・も、そんな破壊された建造物の一部なのだろう。」


ごめんなさい全く話についていけません。

「だが、魔王を撃退しうる実力ならば、もしや冥王をも退ける事もあり得るのではないか?」


「その、冥王・・・・王なんだよね?そんなのと対峙して、まともに戦えるの?」


「わからぬ。それゆえの撤退じゃ!」

そこへ泉が割って入ります。


「だけど、ここは既に順平さんの領地ですわ?しかもこうやって元々あった建物を復旧させました。何かあるのなら、もう既に手遅れのような気がしますわ。」


【ほう。そこの麗人はよくわかってらっしゃる!こう話が早いとこちらとしてもありがたいねえ?】


??


え?何だ?


いきなり声がした!しかし気配がわからない。


今会議の机は、輪になっていて、ぐるっと一周していて、その中心は何もないはずなんだけど、気が付けばそこには立派な椅子が二脚とそこに座っている一組の男女がいた。


全く気が付かなかった・・・・。


【あら・そこの貴方、なにやら力を感じるわねえ?私の旦那とどっちが強いかしらあ?】


僕は、そのもう一人の女性を見ます。

一応布で大事な所は隠してますが、殆ど裸。


【おいなんだよその恰好は?もう殆ど裸じゃないか!】

【あらあ?あ・な・た?焼いてるのお?】


【焼く訳ないじゃないか!それより珍しいじゃないか!人間に力を感じると言うとかよ!】

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