勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず！

第230話 ザーラを救出すべく、力の限り駆ける

順平は視た・・・・

ザーラが城から一番近い門へ駆けて行き、門番？衛兵？の制止を振り切り、王都の外へ出て行ってしまうのを。

そして、いたる所で暴れているドラゴン。

その中をドラゴンから奇跡的な・・・・奇跡としか言いようがない・・・・２頭のドラゴンの間をすり抜け、どんどん進んでいく。ザーラにはそのようなスキルや体術があるわけではなさそうなのだがこれはいったいどうした事なのでしょうか？

そして小高い場所に到着し、ドラゴンの状況を確認しているザーラ。

何やら魔道具を操作し・・・・

何やら情報を城へ送っている様子。

そんな中、背後が無防備になっているザーラ。

気が付けばそこにはドラゴンが迫っている。

気が付くのが遅れ、逃げ遅れるザーラ。

辛うじてドラゴンの巨体の足元を駆けて脱出を試み、

半ば脱出成功と思ったその時、ザーラの身体はドラゴンの尾の先端に当たってしまい・・・・吹き飛んでしまう。

そして地面に激突、その後動かなくなる。

だが、ドラゴンはザーラに気が付いていたのかどうか、ザーラがいたのかどうか気にする事なく進んでいく。

そして・・・・ドラゴンの足がザーラを踏み抜き・・・・

その後何事もなく城壁に向かうドラゴン・・・・

・・・・

・・・

・・

・

う・・・・

これは・・・・？

僕はもう一つの未来視が発動しそうなのを無理やり止めて、駆けだします。

あのままだとザーラさんは間違いなく死ぬ！

何のために？

そう言えばドラゴンが今どうしているかザーラさんはあまり知らなかった様子。

もしかしてそれを気に病み、直接見に行った？

「ザーラさんが死んでしまう！」

僕は一緒についてきたアーダさんそう言い放ちます。

「どういう事だ？」

「ここから一番近い門は？」

「ついてまいれ！」

アーダさんが案内をしてくれています。

その間に何とかフェンリルに連絡をとります。

【ザーラさんの気配は分かる？】

【なんだ？わかる訳がなかろう！そこらじゅうドラゴンだらけで人も多い！】

う・・・・フェンリルに駆けつけてもらうのはどうしたら？

【じゃあ僕は今から外に向かう！門に来て！】

【それこそ無理だ！】

【これは命令だ！】

僕は無理な事を承知でそう言い放ちます。

【ちっ！命令とあっては仕方ない・・・・すぐ向かおう・・・・ぐはっ！】

そこでフェンリルとの念話が途切れます。

その間にも駆けて行き、門が見えました。

アーダさんが何か言っています。

「門を開けよ！我らを通すのだ！」

門番は言葉を発したのがアーダさんと分かると、

「こちらの小さい門なら！」

アーダさんは僕に小さな門を指さします。

「あちらに向かえ！」

「わかった！」

僕はアーダさんをその場に置き去りにし、全力で駆けます。

未来視では僕は間に合ってませんでしたが・・・・今はその未来視を全力で阻止すべく、外へ向かっています。

門を出ると、血だらけのフェンリルが待っていました。

【急ぐのであろう！我の怪我は問題ない！乗れ！！！】