第229話 アーダとアルノルトとの話し合い?

順平はザーラの態度がおかしかった事に全く気が付かないまま、現国王アルノルト・そしてアーダの元へと向かった。


・・・・

・・・

・・


「よく来てくれた!」


アルノルトはあれからもよろしくない報告を受けていたので、順平がやって来た事に対し、少なからず安堵を感じたのだが、


「ええとその、予め言っておきますが、僕にはドラゴンの討伐なんて荷が重すぎますから!」


まさか、外にいると思われる大量のドラゴンを、僕に全て仕留めろとは言わないだろうとは思ったが、ひょっとしたら言いかねないと思い、順平は先に断っておいた。


アーダが反応する。

「そんな!順平殿ならばドラゴンなぞ造作もなかろうて。」

「いやいやアーダさん何を言ってるんですか?ドラゴンですよ?この世界最強の魔物じゃないんですか?」

「フェンリルをテイムできる順平殿だ、造作もなかろうて。」


「それこそですよ?フェンリルは魔王によって深手を負い、瀕死だったらばこそ僕でもテイムできたのであって、まともに戦ったら確実に僕死んでますよ?買い被りはやめて下さい。そして2人は国の中心人物なのですから、正しい認識を持って下さい!」


「だがそうは言ってもドラゴンに対抗する術を我らは持たぬ!」

「え?ダンジョンが傍にありながら、何の防衛策もないのですか?結界は?何かの守りは?」


するとアルノルト国王が口を開いた。


「城壁の一部がドラゴンによって破壊されたとの報告がある。所詮この王都の守りはその程度。魔王にも簡単に侵入される始末なのだ。」

「え?じゃあその破られた城壁はどうしてるんですか?」


「今は侍女共が向かっておる。残念だがこの国の兵より、ダンジョンで鍛えた侍女の方が強いのだよ。」

そこまで話して、アーダが何かに気が付いたようで順平に声をかける。

「そうじゃ、順平殿、ザーラを見なかったか?順平殿と話を、ドラゴンの討伐をお願いしに!と我らが止める間もなく向かってしまったのだが。」

「え?さっきまでいましたよ?」

「で、今ザーラはいずこへ?」


ここにきて皆ザーラがこの場にいない事に、特に何か察したのかアーダの顔色が真っ青になった。


「アーダさん?どうしましたか?」


「先程会ったのだな?何を話した?」

順平は先程の会話を話すと、

「まずい!すまぬが順平殿!ザーラを止めてくれぬか!きっとドラゴンをこの目で確認しに行ったと思うのだ!」


「えええ?彼女普通の、ドレスのような姿でしたよ?しかも何の付与もなされてない。そんなのでドラゴンを見に行けば・・・・」

ここにきて順平も、ザーラの様子がおかしかったことにようやく気が付いた。

まずい!

そう思った瞬間、未来視が発動してしまった。

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