第222話 次は生きた何かを・・・・

物体が成功したので、次はいよいよ生命体を試さないと。


だけどどうやって試せば?また並行世界?


ただ、並行世界を今日は何度も使ったので、今の僕にはもう一度が、かなりの負担になりそうで悩みます。


「まあ!流石ですわ!これは物を転送する装置なのでしょうか?」

そう言えばきちんと説明してなかったですね。する必要もないはずなんだけど、ここまで見せたら逆に説明した方がいいのかな?


「ヘルトラウダさんはダンジョンの魔法陣をご存じでしょうか?」


「ええ!私も実際に使用した事がありますわ!そう言われればなんとなくダンジョンの魔法陣に似ているような気がしないでもないですわ!しかしながら私、何度も見たわけはありませんから、似ているなあとしか。」


「よくこれが似ていると気が付きましたね。これはダンジョンの魔法陣を模したものです。」


「え?」


「ええ?」


ヘルトラウダさんが驚いた事に驚きます。


「だって、あれは魔法陣ですよ?ダンジョン内の魔法陣を複製しようと試みた魔導士は沢山おりましたし、実際成功していますが、これは対になるもう一方がないと意味がないものですわ。成功したのはあくまでも片側ですわ。数多の魔導士がこの魔法陣の再現を試みて、悉く失敗いたしておりますから、再現不可能と言うのが世間での認識ですがこれはもしかして?」

そうだったのですね。チャレンジしてみた人はいるんだね。


「ですが、もう片方はどうやって?魔法陣を使うと魔法陣から外へ、しかも限られた範囲内とはいえ、出る場所は固定できていないので、誰も再現する事が出来なかったのですよ?」

「僕はその、色んなスキルを持ってますからね、まあやってみたらできたと言いますか。」

「そうですか。では、もう少し離れた場所から実行してみますか?」


「はあ・まあそうしたいですが、スキルの使い過ぎで、まだ体がうまく動かないんですよ。」


「では、別の部屋に魔法陣でいいのかしら?私が持っていきますので設置後に、そちらに送りますわ。」


「そうですね、ではお願いしてもいいですか?」


「はい!」


そう言ってヘルトラウダさんは魔法陣をコピーして布地に展開、固定した片方を持って去っていきました。

あ!しまった!!何かを送ってもらわないとだけど、何か持ってるかな?


僕はそう思った瞬間、いやな予感がしました。

まさかと思いますが、ヘルトラウダさんは自身を送ろうとしてませんか?

いや、まだどうなるかわからないので、いきなり人を送るのは危険すぎるので悩んでいたんです。


僕はこの時、ヘルトラウダさんの内心の焦りを知らずにいた事を、激しく後悔してしまいました。

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