第189話 Side 森江泉 その1
Side 森江泉
私の名は、森江泉。社会人3年目の25歳、現在独身。
某会社で社の窓口、世間では受付嬢と言われる業務を日々、こなしています。
私が入社してあっという間に一年が過ぎ、更に新たな新入社員が入社して半年ほど過ぎた頃、ある新入社員に目が留まります。
彼の名は、後で知りましたが常山順平。一つ年下で、私より若干背が高い、見た目はまあ、こう言っては申し訳ないけれど、並み?そしてちゃんと食べてるの?と思うほど細い体つき。もしかしたら私より軽いのでは?と思うもやしっ子な見た目な男の子。
まあ、どここにでもいる草食系男子に見えました。今思うと大変失礼ですね。
この時私は、男性不信に陥っておりました。
大学に在学中、サークル活動で打ち上げがあり、そこへ参加したのですが、油断した私が悪いのですが、慣れないお酒を沢山飲まされ、泥酔状態になっていました。
今思えば、女性の大半がそうなっていたので、何かおかしかったのですが。
そして気が付けば、誰かが身体を触っているのに気が付きました。
みると、私は上半身ははだけ、スカートはたくし上げられ、ショーツが今まさに脱がされようとしている所だったようです。
頭がはっきりしないながら、私は思いっきりその男性にけりを入れます。
どうやら急所に当たったようで、その男は股間を押さえ、悶絶しています。
急ぎ衣服を整え、自身の持ち物・カバンがあったので、カバンを手に取り、身体に力が入らないながらも、なんとか立ち上がりますが、ここはどうやら近く?にあったラブホで、最初から男性陣は、これが目的で、ラブホの近くで打ち上げを開催した模様。
何とか逃げ出し、通りかかったタクシーで、帰宅。
後に、私以外にもサークルの女性が何人かラブホに連れられ犯され、若しくは私の様に途中で気が付き、逃げ出したようですが、後にこれが事件になり、男性陣は軒並み逮捕、及び退学、サークルも閉鎖されてしまいました。
これがあってから、私は男性不信に陥りました。
ですが、月日は流れます。
就職活動、そして、条件が良かった今の企業に採用、そして私の見た目がいいからと、受付に回されます。
まあこれでも私は、自身の見た目は自覚があるので、男性にどう映るかはある程度認識していましたが、
明かな下心で近付いてくる男性社員の多い事。
克服したと思っていた男性不信は、ますます募るばかり。
そうは言っても受付業務は、男性の相手がほとんど。
私情をはさむ事なく、淡々と業務をこなしていました。
そんなある日、その男性を見かけました。
その男性、どうやら営業に配属になったようで、ですが他の営業と違い、色んな職種の会社の店に営業を行っているようです。
最初は他の営業マンに馬鹿にされていましたが、入社して半年ほどが経ち、その男性は今までほとんど成績を残していなかったらしいのですが、ここにきていきなり頭角を現したらしく、半年、じっくり地味に営業をしていた結果、半年たって急に契約を持って帰って来るようになったようです。
そして、私達もその恩恵を時々その男性から頂く事になります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます