第170話 友郁と今後について話し合う

今僕は、友郁と簡単な食事をしています。

「あ・・・・なんだか頭痛が収まったよ、ありがとう、友郁。」


「よかった。あまり無理しないでね、順平さん。」


「ああ、うん。それで僕さっきどうしてた?」


「魔王を撃退して、アーダさんとザーラ姫と結婚を迫られた事まで喋ってましたよ。」


うわ!やらかした。


「あ、ごめんね、そう言う事なら、すぐに王都へ連絡が行くね。そうなると、王家から僕に何かあるよねきっと。仕方ない、まだこの街がどういったのかわかってないけど出ようか、街を。」


「仕方ないですよね。あの勢いで2人の王家の人間と結婚を!と迫ってきて、しかももうすぐ国王になる人から命令だ!と言われたら結婚しないわけにもいきませんし。」


「行き先が何処になるか知らないけど、そこまで行くしかないかなあ?そうなると森江さんが心配なんだけどね。」


僕は友郁の目つきが急に変わったのに気が付きませんでした。


「どうして森江さんが?」


「ああ、ええと彼女、ちょっと今不安定なんだよね。まあ、昨日別れてから会ってないけど、あまりにも遠くへ行っちゃうと、いざという時に、力になってあげられないんじゃないかって思ってさ。」


「でも!古手さんや矢坂橋さんがいるじゃありませんか!」


「そうだね。しかし、数日前まで、彼女らも赤の他人だったわけで。」


そういえば、友郁も森江さんも、同じ会社で働くといっても、部署も違うし。毎日喋ってたわけじゃないし。あまり変化がない?あ、友郁は森江さんと常に一緒だったんだよね。


「だけど、森江さんはもういい年の大人ですから!」


「そうだね、友郁。彼女は友郁より年上だし。僕よりも年上だし。そういった相談は、あまり年下にはしないかな?でも心配だなあ。ここを出たら、一度こっそり会ってみるか?」


「それはダメ!」


なぜそんな強く否定を?


「まあいいさ(フェンリルに頼んで、高速移動してもらって、後で彼女がどうなってるか確認しに、会いに行っておこう。)これ食べたら、出ようか。フェンリルに乗せてもらえば、すぐに違う街だろうから。」


はあ・・・・なんであんなに考えなしに喋ってしまったかなあ?

僕が思うに、今後別の街に行ったとして、同じ事を繰り返すんじゃないかな?

これはちょっと困ったぞ?


食事を終え、店を出た所、外の様子がおかしい事に気が付いたんだけど。


「ダンジョンがおかしいって?」


「ああ、今からギルドへ報告さ。」


「一体どうしたってんだよ!」


何かおかしいです。

冒険者が次々にギルドに向かっているからです。


「順平さん、どうしたんでしょうね?」


「さあ、わからないな?」


そう思っていると。


【主よ、少し良いか?】


フェンリルから念話が。


【どうしたんだい?】


【外の様子がおかしい。ダンジョンにしかいないはずの魔物が、外にあふれておる。】


【ダンジョン?あ、さっき冒険者がダンジョンがどうのこうのと言って街の中を移動してたけど?それと関係がある?】


【それは知らぬが。我からすれば大した強さではないゆえ良いが。一応報告だな。】


「友郁、ダンジョンから魔物があふれているそうだ。」


「えっと、その、ダンジョンって何でしょう?それに、その、ダンジョン?から魔物?が溢れるって何の事ですか?そして溢れると何かあるんですか?魔物って普通に外に居ますよね?それとダンジョンの魔物は何か違うんですか?」


そうだよね。そもそもダンジョンや魔物の事がわかってないよね?僕もいまいちわかってない事が多いですし。


そう思っていると僕達の方に誰かがやってきます。。


「はあはあ・・・・よかった・・・・あの!ダンジョンで魔物が。スタンピードが発生したようなんです!」


あ、ギルドのおじさんの娘さんだね。はあ?えっとダンジョンが暴走?


「その、お二人は相当な実力の持ち主とお見受けします。ですのでその、力をお貸し願えませんか?」


え?ダンジョンとか行った事ないし、無理無理!それとスタンピードってなんでしたっけ?

嫌な予感しかしないんですけど。

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