第162話 メールローという街

ビーチェさんから聞いたところ、この街はメールローと言うらしい。


「え?名前も知らずに来ちゃったのかい?酔狂な御仁なこった!」


適当に来たから・・・・


あ、フェンリルの念話では、小さな町や村は、スルーしたらしい・・・・

あれ?そう言えば、景色ってどうだっけ?

もしかして物凄いスピードだったから、景色がわからなかった?


「で・・・・あんた、詮索しないとは言ったけど、どっから来たのかぐらい教えてくれてもいいんじゃないかい?」


僕は才村さん・・・・あ、友郁って言わないと怒られるな・・・・彼女と顔を見合わせます。


アイコンタクト?でいいよって?

「ここはグビッシュ王国ですよね?」


「あん?何言ってんだかわかんないけど、そうだぞ?」


はあ?って顔をしてるけど・・・・


「グビッシュ王国の王都からやってきました。」


そう言うと驚くビーチェさん・・・・

それと、今は同席を許され、隅っこで大人しくしているゴンザレスが・・・・

「そりゃあえれえ遠くからやってきたな。どうやってきたんだ?見たところ大したもん持ってねえ感じだが?」


どうやら回復魔法のお陰で、ゴンザレスは酔いがさめたようです。


「お、何だゴンザレス、酔いがさめてるじゃねえか!」

「誰が酔ってやがんだ!え?てめえこそ酔ってんじゃねのかトビー!」


「いや、オラっち飲んでねえし?今マジで・・・・ゴンザレスが素面だ・・・・」

「まあいい、で、だいぶ部時間かかったろう?王都からやってきたって酔狂だな。近くに別の街もいくつかあるだろうに。」


・・・・意味が分かりません。

数時間でたどり着いたわけですし?


「え?そうなんですか?僕達は昼前に出発して・・・・最初は歩いていたのですが、途中からは従魔に乗せてもらって・・・・まあ、夕方までに到着できたので良かったですけどね。」


3人ぎょっとした顔をする。


「ちょ・・・・ちょっと待っておくれ!今日出発したのかい?王都を?」


「え?ええ・・・・そうですが?」


「そんな馬鹿な・・・・早馬で駆けても、途中の街で馬を取り換えても丸二日かかるんだぞ?乗合馬車に乗ってみろ、道中町や村に寄るから、一週間ほどかかっちまう。」


はあ?そうなのかな?

【そんなに距離あるの?】


【ぬ?知らぬな・・・・我は一刻(30分と考えて下さい)でその気になれば100里(約400キロメートルと考えて下さい。)を駆けるからな!まあ、今回は其方らがおった故、半分ほどの速さだったがな。風を感じ無かったろう?】


そいえばそうだ・・・・しかも揺れなかった?新幹線より速かったのか・・・・?


よくわからないけど、乗合馬車は、恐らく一日35キロから50キロぐらいを進む感じ?で、7日間なら・・・・大雑把に王都からここまで・・・・まあちょっと短めなら250キロ・・・・遠くて350キロぐらい離れてるのかな?ま、それにしてもフェンリル凄いね。


「順平さん、恐ろしく遠い場所ですね?これは・・・・名古屋から・・・・横浜ぐらい?東京ぐらいかな?」


え?名古屋からなら・・・・東京は離れすぎだね、横浜だね、もしくは静岡?

歩いてたらたどり着けなかったとか・・・・



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