第127話 狂った歯車
僕は起き上がろうとして、裸だったのを今更ながら気が付き、ハンガーに掛かっている服を、兎に角着ました。
才村さんも、何か諦めたような、そんな表情のまま着替えます。
そして妙にお腹が空いている事に気が付きます。
それと、実際倒れたって、その後の事も気になりますし・・・・ってどれほどの時間が経ってしまったのでしょう?
「あの・・・・友郁?僕が倒れた後というか・・・・あの時何か飲ませてくれた?」
「ええ、せん・・・・順平さん、中々飲めなかったので、口移しで飲んでましたよ?勿論相手は私ですけれど。」
・・・・あくまで治療の一環です・・・・ですよね?そう言えば何か柔らかかった気が・・・・
「ええと何を飲ませて貰ったのっかな?」
「・・・・その・・・・気が動転していたもので・・・・」
「え?もしかして回復しないのを?」
「いえ、そう言う訳では・・・・」
あ、それに何でこの部屋に2人っきり?
色々聞きたいですが・・・・
「その、今は僕、こうして元気ですから・・・・ありがとう。」
「いえその・・・・ご馳走様でした。」
・・・・え?どういう事?
そして・・・・僕はずっと気になっているんです。
下半身が妙にうずうずしていて。
それにあれがずっと元気・・・・
「あの、今更だけど・・・・僕が飲んだのって?」
「・・・・精力剤です・・・・」
・・・・そんなのあったね(勿論並行世界で手に入れたやつ。精力以外にも活力が復活するので、中々重宝する薬です。何かしらで無気力になった精神に、効果的な効果が現れて・・・・)
ちょっと何がご馳走様なのか、怖くて聞けませんが・・・・
「ええとその、色々聞きたいですが・・・・皆さんどうしていますか?」
「そのごめんなさい、侍女さん以外は知らないと思います・・・・後はあの場にいた人達だけですね・・・・」
これは問題です。森江さんなんかは、僕が才村さんと今現在進行形で男女の仲になっていると思っているのでは?
兎に角皆さんの顔を見ないと・・・・あ、お腹空いた・・・・
「・・・・その、食堂で何か食べたいので・・・・できれば皆さんを呼んでもらえないかな?そして、その後は急いであの王家?の残っている人を回復させてあげないといけません。」
「わかりました、順平さん。あ、ちょっとだけ・・・・」
そう言って抱きしめてきます。思わず抱き返してしまいました・・・・あれ?
そしてその、才村さんの綺麗な顔と、潤んだ瞳に吸い寄せられ・・・・
僕は思わず接吻してしまいました。
え?どうしてしまったの?こんなはずじゃ・・・・
勿論そのままキスしてきますよ、才村さんは。
だけど・・・・僕は全力で引きはがします。
「・・・・順平さんのいけず・・・・」
そう言って去っていきます。
・・・・何処で歯車が狂ったのでしょう?そして・・・・残り時間が気になります。
ボーナスの時間・・・・もはや意味をなさないと思いますが・・・・残り3時間少々・・・・
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