第117話 ベッドの人物

僕と才村さんがそんな事を話していると、ベッドのある部屋の窓が開きます。

僕と才村さんは何事と思って窓を見ます。


ベッドに寝ている人物を世話しているうちの一人でしょうか。

その侍女さん?とは少し様子が違う女性は、こちらにやってきます。

気が付いていない・・・・

そして、少し休憩でしょうか。もう一人やってきます。

僕達のいる場所と同じようなテーブルと椅子があるので、そこに座るようです。


僕は会話をしないでも意思の疎通ができるアイテムを才村さんに渡し、それぞれ装備します。


”友郁さん聞こえますか?”

”はい順平さん。”

”実はあの並行世界では僕一度もここに立ち寄らなかったんですよ。”

”どうしてですか?”

”だって明日にはここは破壊されてしまいますからね。”

”ああなるほど・・・・でもあそこに人がいますよね?”

”ええ・・・・なんだか身分のあるような人の気がします。さっと見ただけですが、特に2人の男女が目を引きましたよ。”

”誰でしょうね?・・・・あの・・・・まさかと思うのですが・・・・”

僕はそういわれ急に気が付きました。


”あ、なんとなく僕も分かりました。ここに寝かされているのって、召喚にかかわった人物・・・・では?”

”ええ、なんとなくそう思いました。どうしますか?あの外にいる女性に声を掛けますか?”

”今僕たちは認識阻害のアイテムで、見えてませんからね。そうですね・・・・姿を現しましょうか?”


そう言って会話を打ち切り、一度バルコニーから部屋?に戻り、気配を戻し、二人でテラスに出ます。

「だ・・・・誰?」

早速気が付いたようです。


「え?なんでここに人がいるのよ!」

それぞれ反応が違うようです。


「あ!すいません、迷ってしまって・・・・」

「え?ええと貴方達は・・・・この前の召喚者の方ですね。侍女がいたはずですが・・・・」

「あ、風呂に入ったのですが、恥ずかしいので逃げてしまいました。」


「そうですか・・・・ですがここは立ち入り禁止ですので・・・・お引き取り下さい。」

そう言ってくる女性ですが・・・・

ここはどうしますか?

僕はその女性をじっと見つめます。

スキルを・・・・使うべき?

すると才村さんが助け船を出してくれます。

「あの、こう言っては何ですが・・・・あそこに寝ている人達、治療が必要ですよね?私達回復魔法が使えますが・・・・治療しましょうか?」

するとここにいた2人がはっとなり

「ええ?回復魔法が扱えるのですか?せんだっての召喚の儀で、魔法を扱える人はほとんど絶命してしまいましたので・・・・」

「お願いします!私責任者呼んでくる!」

あ!と思う間もなくもう一人が消えていきます。


暫くして、男女数人が現れます。

「君が治療を?馬鹿な!できる訳がない!」

・・・・いきなり否定されました・・・・

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