第89話 浄化と、複製と

「・・・・才村さん、一応才村さんにはある程度スキルを渡したと思いますが・・・・複製、覚えてみますか?」

「え?覚えられるかな?」

「まあやってみましょうか?ええと、この・・・・布ナプキン、欲しいのかな?」

「・・・・新品ではないですが・・・・日本に戻れないのなら、手に入りませんし・・・・私プライベートでは布ナプキンだったので・・・・」


「じゃあこれを複製していきましょう。」


僕はポーチから取り出し、才村さんにも渡します。

僕はポーチを。

「いいですか、右手です、右手にオリジナル、成功すれば複製品が左になりますからね。ええと、複製できるように念じるんです・・・・そう、才村さんは魔法を使うので、なんとなくわかりますよね?そう、その調子です!」


何となく彼女の魔力の流れが見えます。

そして・・・・難なく成功します。

「できました!」


そう言って次々に複製していきますが・・・・突然動きが止まり、顔色が悪くなります。あ、僕の時もこんな感じだった?

僕は咄嗟に才村さんを抱きよせ、寝かせます。

そして、ポーションを飲ませようとしますが・・・・

頑なに口を閉じてます。

「・・・・口移しで。」

え?どうしたの才村さん?

「先輩の口移し・・・・」

目が何か訴えてます。

(ここでリードを奪っておかないと、森江先輩にとられます・・・・)

・・・・上手く出来るのでしょうか?

仕方なくボクはポーションを口に含ませ、才村さんに顔を近づけます。

そして・・・・口を付けますが、どうしたら?

少し才村さんが口をすぼめてきたので、その中に液体を流し込みます。

ドンドン飲んでいく才村さん。そして飲み終わったのですが・・・・才村さんは放してくれません・・・・あ、舌が入り込んできました。うわ・・・・思わす絡めてしまいました。

これが・・・・ディープキス?

大人の濃厚な?


だけど・・・・女子高生の視線が・・・・

僕は無理やり離れます。

「・・・・複製はできましたね?」

「ええ・・・・」

「今度からはその・・・・自分でできますね?」

あっという顔になっていく才村さん。

(これは・・・・失敗?できない方がよかった・・・・?)

「あ、その、倒れると互い困るので、このスキルを使う時は・・・・一緒に居る時で・・・・」

「は、はい!」

(結果オーライです!よかった・・・・)

「あ、靴も複製しましょうか?靴下も・・・・」

「・・・忘れてました・・・・今私この世界のガウチョだから・・・・」

「後で一緒にお願いします。」

「ああうん、何だかね、僕も自分の持ち物を複製したほうがいいかと思ってね。」


そんな事を話していると・・・・順次戻ってくる女性陣。

「あ、才村さん、こんな所で会うのは・・・・微妙ですが、元気そうでよかったわ。」

「あ、森江先輩!本当に巻き込まれていたのですね。」

「ええ。あ、あのこれ複製・・・・できますか?」

そう言って手渡しをしてきたのは・・・・ブランド物の下着2式と・・・・肌着とスカート?

「あ、スカートの中に・・・・ペチコートですわ。ペチコートというのはですね、中にはいている下着のスケを軽減したり、滑りをよくしたり・・・・」

その・・・・色々申し訳ないと思ってしまいます。

きっと相当てんぱってるのでしょう。


「預かります。」

「あ、その・・・・さっき浄化してもらったとはいえその・・・・今さっきまで着用していたので・・・・」

僕は思わず臭いをかいでしまいますが・・・・

「何か香水を?いい匂いです・・・・どうして綺麗な女性の匂いはいい匂いなのでしょう・・・・」

「きゃあ!かがないでえ!」

あ・・・・デリカシーが無さ過ぎました・・・・

ですがその、綺麗な女性はどうしていい匂いなのでしょうか?

一応浄化・・・・そして複製を始めますが、何かを差し出してきます。

「あの、必要か分からないけれど、化粧品って複製できるかしら?」

・・・・さっき薬も複製できましたから・・・・できるかな?

「これも試します。」


才村さんがアッと言う顔をします。

「あ、あるなら後でしましょう?」

「はい!」


《あ・・・・この2人、何だか親密です・・・・もしやこの3日の間に、深いお付き合いになってしまった?入り込む余地は・・・・?年上ですし・・・・だけど、お付きの女性は、この世界は男性は複数の女性を娶ると言ってましたから・・・・才村さん次第ではまだまだチャンスが?》

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